全盲のカメラマン・大平さん日本全国撮影の旅

 函館を拠点に活動する全盲のアマチュアカメラマン、大平啓朗さん(30)が25日、沖縄から稚内まで47都道府県をヒッチハイクなどで訪れる単独の撮影旅行に出発した。障害者に対する偏見を少しでもなくそうと各地で出会いを広げ、「今まで感じたことがないもの」に挑戦してカメラの腕を磨く。来年4月には市内でフォトスタジオを開業する予定で、ステップアップに向けた第一歩を踏み出した。

 大平さんは2003年秋、山形大学院生の時にメタノールを誤って飲み、失明した。全盲になっても幼いころから好きな写真を続け、釧路から九州まで1人旅を楽しんだこともある。各地をめぐる中、障害に対する意識の地域差を実感。「(視覚障害者でもカメラを楽しむ)こういう人が当たり前にいることを知ってほしい」と、今回の旅を半年前から計画していた。

 スタート地点は日本最南端の沖縄県波照間島。北斗の道ユニバーサル上映映画祭などで中断しながらも来年3月の稚内到着を目指す。訪問先では講演活動を行ったり、スキューバダイビングやスカイダイビングも体験して作品を撮りためる計画だ。

 全盲になった当初は「音」を頼りに撮影していたが、次第に太陽の光や温度、においなどの感覚を使って撮影するようになった。今回も「違う音やにおいなど新しい感覚、新しい撮り方を見つけたい」と意気込む。

 大平さんにとって写真は「人とのコミュニケーションツールであり、自分の表現方法」。「相棒」と呼ぶ白杖(はくじょう)とカメラはいつも手放さない。「みんなが行きたくなるような写真を撮ってきたい」と話している。

 旅の様子は自身のホームページ(http://www.nizamo.com/)で随時紹介する。

update 2009/6/28 10:38
提供 - 函館新聞社


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