がん検診 低い受診率 対策に力…市立函館保健所
市立函館保健所がまとめた2008年度の市内のがん検診受診率で、受診料の助成対象となっている5種類の検診のうち、大腸がん、乳がん、子宮がんは前年度より伸びたが、胃がんは前年度比0・7ポイント減の5・4%、肺がんは同2・6ポイント減の5・5%で、これまでよりも下がったことが分かった。同保健所健康づくり推進室は検診に対する周知不足を認識する一方、「『がんと分かるのが怖い』と考えて検査を敬遠する傾向にあるのでは」と推測し、受診しやすいような環境づくりに配慮している。
まとめによると、対象年齢35歳以上の胃がん検診は、2005―07の3年間は6%台の受診率を確保していた。40歳以上の肺がん検診は、05年度の2・9%から06、07年度は8%台に増加していた。
昨年度の突然の減少について同室は、基本検診が特定健診に替わったことを挙げ「制度が変わってもこれまで通り検診会場で受診できるにもかかわらず、できなくなったと考えられたのではないか」と分析。対策として、胃がん検診では本年度から、これまで1650円だった40歳未満の自己負担金額を、40歳以上と同一の1000円に減額。さらに特定健診と一緒に受診できる曜日を週1回から2回に増やした。
逆に、大腸がん検診(40歳以上が対象)は、05―07年度の2・9%が、08年度には4・0%に。同室は昨年度から実施している検査キット事前郵送の効果を実感する。電話連絡での要望に応じてキットを郵送するシステムで、本年度はこれに加え、各町会から依頼された出前講座に合わせて配布を行っている。
一方で、乳がん(40歳以上が隔年で対象)と子宮がん健診(20歳以上同)は増加傾向にあり、今後さらに増える見込みだ。同室は「女性の健康意識の高さ」が影響する可能性を示唆するが正確な理由は不明。受診できる医療機関はほかの3種類よりも限定されるが、熱心な医療機関では医師が勧めることもある。
07年度の函館市に対する全道主要10市平均のがん健診受診率は、胃がんが6・1%に対し11・1%、大腸がんは2・9%に対し15・7%、肺がんは8・1%に対し17・2%で、数倍の差が生じている。受診率の高い乳がんでも9・2%に対し22・3%、子宮がん22・5%に対し31・2%となっている。同室は「早期発見、早期治療による市民の健康維持のためには受診率向上が急務」として、現在も関係機関と連携した対策を検討中だ。
がん検診への問い合わせは同室健康増進課TEL0138・32・1532。
提供 - 函館新聞社
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