臓器移植法改正案衆院を通過、脳死は死…函館でも思い交錯
衆院本会議で審議された臓器移植法改正案で、15歳未満からの臓器提供を可能とするA案が賛成多数で可決した18日、函館では患者団体らが支持する一方で、脳死を一律人の死と認めることに慎重な意見も聞かれた。
国会に提出された4つの改正案のうち、渡島・檜山管内の患者でつくる道南腎臓病友の会は可決したA案の成立を望む。山谷真幸会長は「腎臓病の場合、海外で移植する小児患者は少ないが、生体腎移植では小さな子どもに大人の腎臓が合わないので苦慮してきた。法改正されれば、そういう小児患者が透析をせずに済むようにもなる」と期待。さらに、「海外でしか臓器移植を受けられない心臓病などの子どもも助かり、親の経済的負担が減る。わたしたちの上部団体が要望してきたA案可決はありがたい」と話した。
函館市医師会の役員によると、会員医師の中でも脳死を人の死と認めることについて賛否両論があり、会として見解がまとまっていないという。市内の内科医(54)は「外国から臓器提供を受け、逆に提供することを非とする現体制は矛盾するのでは。A案の可決は妥当」と話す。
一方、脳死を厳格化していたC案を推した衆議院議員の金田誠一氏は「国民的な議論が足りない中での採決は禍根を残す」と語る。97年に臓器移植法の審議をめぐり、「脳死を人の死と認める」とする当時の中山案に対し、金田氏は「脳死は人の死と認めない」として対案を提出した経緯がある。
C案は金田氏の案をベースとしており、「臨床的脳死判定が日常的に行われている現在、治療や延命措置の打ち切り、脳死状態と言われた方への死の圧力など大きな影響が出てくる。子供の脳死に関してもA案では小児の医療現場に混乱が広がる」としている。
提供 - 函館新聞社
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