支庁再編 道の素案に異論も

 【江差】道が提示した新支庁体制の在り方を示す「基本フレーム(素案)」をめぐり、桧山管内では産業部門の一本化や、総合振興局から振興局に移管する広域事務に対する異論が相次いでいる。江差町や管内町村会などは、月内にも開始される見込みの地域協議などを通じて道の認識をただす方向だ。

 道案では、現行14支庁にある農務、水産、商工労働観光などの産業担当課を、支庁再編に伴い「地域産業課(仮称)」に一本化するとした。だが、江差町では今月1日、支庁再編をめぐる高橋はるみ知事と、管内7町長や産業団体の代表者の会談が行われたばかりだ。7町の総意として支庁の産業振興部門の強化を強く求めた直後の素案公表に、複数の町長は「十分に詰めた内容なのか」「道は地域との合意形成を反故にするのか」「担当課を集約して産業振興を実現できるのか」と疑問視する。

 道が提示した、振興局から総合振興局に移管する広域事務についても、道が「支庁管内での事務完結」を基本に、振興局長にも多くの権限を与える一方で、雇用対策や産業支援のほか、保安林指定や林地開発など、地域に密着した事務も集約対象に含めたほか、現在は渡島支庁の出先機関になっている、函館土木現業所江差出張所をはじめ、振興局地域の社会資本整備部門の位置付けが不明確なこともあって、素案に対する地域の不信感をかき立てる結果となった。

 また、道案では、総合振興局と振興局の両局長に本庁部長級、部長に本庁次長級、課長には本庁課長級の職員を充てるとした。現在の14支庁長は本庁部長級だが、部長は本庁課長級、課長は本庁主幹級だ。総合振興局・振興局の部課長ポストを新たに“昇格”させた場合には、14支庁全体で本庁次長級約50人、本庁課長級約130人もの管理職ポストが増えることになる。道町村会長の寺島光一郎乙部町長は「道は局制を導入して36もの局長ポストを新設して本庁の肥大化を進めた。14支庁の第一線職員を削減しながら管理職ポストだけを増やすのか。行革に逆行する焼け太りではないか」と批判的な見方を示す。道は月内にも、振興局の組織体制をめぐる、道町村会など地方4団体との全道レベルでの協議と、5振興局地域での議論をスタートさせる方針だが、その行方は早くも紆余曲折が予想される展開になってきた。

update 2009/6/18 12:33
提供 - 函館新聞社


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