補導の未成年が激減…タスポ導入1年

未成年者の喫煙防止を目的とした成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の道内導入に伴い、函館市内ではこの1年間で喫煙で補導される少年少女が半減したことが市青少年補導センターのまとめで分かった。一方、タスポを持たない喫煙者がコンビニなどでの対面販売で購入するケースが増えた半面、自販機を設ける市内のたばこ店は大打撃。明暗がくっきり分かれた格好だ。

 同センターのまとめでは、健康増進法の施行や全国的に進む喫煙スペースの縮小化も手伝い、喫煙で補導された未成年者数は近年では2003年度の775人をピークに下降線をたどっている。08年度は5月にタスポが導入された影響などから、補導数は前年度の396人から198人に激減。同センターは「学校での徹底した指導や、未成年者が来店した際灰皿を出さないなどカラオケボックス店での協力も大きいが、もちろんタスポの影響もある」と分析する。

 販売業界でも大きな変化が起きた。セブンイレブン広報は「昨年度からたばこを買い求めるお客さんが一気に増え、売り上げは相当伸びた。コンビニ業界全般で同じ傾向が出ている」と話す。

 その半面、悪影響を受けたのはたばこ店。同市宮前町の「函館たばこらんどセラーズいそ」では、自販機4台の売り上げが4―6割程度に落ち込んだ。店長の磯雅晴さん(58)は「これほど売れないとは思わなかった。飲料水の自販機も売れなくなった」と影響の大きさを強調する。

 日本たばこ協会(TIOJ)の発表によると、今月6日現在、道内の喫煙人口に対するタスポの普及率は36・0%。申し込みに際しては免許証のコピーや写真などの用意が必要となるが、「手続きが面倒」との理由から、昨年同期に比べ13・2ポイント増と伸び悩んでいる。

 「タスポステーション」の旗を掲げる店舗ではタスポ発行の手続きが無料でできる。磯さんの販売店を含め、市内では15店舗で申し込みが可能。磯さんは「タスポがあれば全国どこの自販機でもたばこが買える。申し込みは5分あれば簡単にができるから、まだの人はぜひ利用して」と協力を求めている。

update 2009/6/16 11:16
提供 - 函館新聞社


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