15日に大沼浄化ボランティア

 【七飯】炭素繊維の塊などを大沼に沈め、水質改善を図る取り組みが15日、七飯町の大沼国定公園で行われる。地元住民や行政関係者らが連携して浄化作業に取り組む「炭素繊維ブロック啓発 みんなで守ろう美しい大沼」(七飯町、渡島支庁共催)で、住民や学生、関係団体などの約40人がボランティアとして参加を予定。水質浄化に高い効果があるとされる炭素繊維ブロックの組み立てや、木炭の袋詰め作業などを行い、環境問題を考える。

 大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼の3つの湖沼を有し、道南屈指の景勝地として人気の高い大沼国定公園だが、近年は水質の汚染が深刻な問題となっている。このため七飯町と渡島支庁では、函館高専や道教育大などの研究機関と協力しながら水質浄化の可能性を探ってきた。

 今回設置するのは、90a角の立方体にムカデ型炭素繊維藻40本を垂直に取り付けた「炭素繊維人工藻ブロック」と「木炭袋」。大沼の2カ所、計約400平方メートルの範囲に、ブロック21個と木炭袋を沈める。これまでも炭素繊維や木炭を湖面にいかだ式に浮かべる試みはしているが、景観を損なったり遊覧船やボートの移動の邪魔になるなどのデメリットが大きかった。しかし、今回はブロックと木炭袋を湖底に沈めることで問題点を解決。たい積したヘドロなどの有機性汚濁物質の分解を促進し、水生生物の隠れ家や餌場になることも期待される。

 当日はボランティアがブロックの組み立て作業や木炭の袋詰め作業などを行うほか、湖内への設置作業の様子を観察する。今後は、水質変化のデータを継続的に観測。十分な効果が認められれば、さらに設置場所を拡大し、大沼全体の浄化につなげていきたい考え。

 同支庁は「美しい大沼を取り戻すためには、行政機関が連携するとともに、近隣住民や関係団体の意識向上や実践も不可欠。今回の活動がきっかけとなり、大沼浄化に対する一般への関心が高まってもらえれば」と話している。

update 2009/6/14 14:33
提供 - 函館新聞社


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