上國寺本堂修復…青海波模様の彩色など発見
【上ノ国】約250年前に建立された、上ノ国町の上國寺本堂(重要文化財)では、昨年12月から大規模な保存修理工事が進んでいる。本堂内部の解体が進むにつれて、内部では色鮮やかな青海波(せいがいは)模様の彩色などが相次いで発見されている。
上國寺は永禄年間(1558―1570年)の創建とされる。現在の本堂は、内部の墨書などから1758(宝暦8)年の建立とみられている。近年は建物の損傷が進み、2010年10月までの計画で「平成の大修理」がスタート。建物を支える柱や梁(はり)を残しながら、壁や床板を取り外し、痛んだ部分を交換したり、補修を進める。どのような形で本堂を保存・修理するのかを検討するため、過去の修復跡などを詳しく調べながら、建立当初の姿や建物内部の変遷を探っている。
本堂の最奥部に当たり、本尊を納めた厨子(ずし)をまつる「内陣(ないじん)」では、天井付近の板を取り外したところ、波形模様の「青海波」をはじめ、仏教の教えを伝える「宝輪(ほうりん)」などの彩色が発見された。いずれも江戸時代以降の改装の際、板で覆われたとみられ、百数十年ぶりにその姿が明らかになった。
上國寺本堂設計監理事務所長を務める、文化財建造物保存技術協会(東京)の小幡長治さんは「退色が進んでいるが、元は群青色をベースにした鮮やかな波模様だったと考えられる。内陣の柱には金箔(きんぱく)漆も施されており、建立当時の内陣はかなり豪華な作りだったことがうかがわれる」と話している。
町教委は21日午前9時半から「夷王山まつり」の関連イベントとして開く「上ノ国歴史探訪」に合わせて工事現場の見学会を行う。事前申し込みが必要。先着50人程度。希望者は19日までに電話で申し込む。問い合わせ、申し込みは町教委TEL0139・55・2230。
提供 - 函館新聞社
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