村上春樹さん新作「1Q84」函館でも品切れ状態
作家村上春樹さんの5年ぶりとなる新作長編小説「1Q84」(新潮社、全2巻)が全国的に爆発的な売れ行きを記録する中、函館でも入荷と同時に売り切れになる状態が続いている。小説の内容が事前にほとんど明かされなかったことに加え、今年2月のエルサレム賞における村上さんのスピーチなどに注目が集まっており、市民の関心も高い。客も書店側も「次はいつ入荷するのか」と気をもむ日が続く。
函館市梁川町25の文教堂書店函館テーオー店では、5月29日の発売当日にBOOK1、BOOK2ともに10冊以上を仕入れたが、即日完売。同店では1Q84を手にできなかった客が、「ノルウェイの森」や「海辺のカフカ」など、村上さんの過去の長編小説を購入する傾向も見られるという。同店の五十嵐教晃店長は「毎日発注しているが、次回入荷日は未定の状態。年内は品薄状態が続くかもしれない」と、驚きの様子。くまざわ書店函館ポールスター店(港町1)でも計30冊を仕入れ、2日間で売り切れた。担当者は「少しずつ入荷されてはいるが、すべて予約分で、店頭にはなかなか並ばない」と困惑気味だ。
出版元の新潮社は初版でBOOK120万部、BOOK218万部を発行したが、全国から注文が殺到。このため、5月28日から今月3日まで5日連続で増刷し、累計発行部数は96万部に達しているが、書店に届くのはまだ先になりそうだという。
同社が発売前に行った宣伝は、ホームページにタイトルと発売日、全2巻であることを示しただけ。同社広報宣伝部は「読者からはまっさらな状態で新刊を読みたいという声が多かった。エルサレム賞での村上さんのスピーチに共感した人も多かったのでは」と話す。文教堂書店の五十嵐店長も「新聞やテレビでの紹介が多いにもかかわらず、中身がわからなかったのが人気の要因の一つ」とみている。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。