函館要塞の施設“探訪” 産業遺産研究会が本を発行

 函館産業遺産研究会(富岡由夫会長)はこのほど、函館要塞の施設を写真や図で紹介する「函館要塞を尋ねて 函館要塞の経歴と施設」を発行した。富岡会長(84)は「今年は函館開港150年で、函館港を守るために作られた函館要塞へ関心が広まり、国指定の史跡になるよう、市民の機運が高まってくれれば」と話している。

 函館は幕末から明治にかけ北方地域の軍事、政治、経済の拠点で、ロシアの南下政策に対応し、1898―1902(明治31―35)年にかけ、函館山の千畳敷、薬師山、立待岬など、四方をにらむ形で砲台や戦闘指令所などの施設を備えた函館要塞が造られた。当時の最高技術が分かり、軍事遺産と同時に土木遺産とも言われている。

 同会は五稜郭に関する調査は進むも、函館要塞に関しては要塞地帯法などの制約で明らかにされていなかったため、99年から2004年まで、要塞調査を行った。08年5月と10月に市内でパネル展「函館要塞展示会」を開催。要塞の図面、写真などをA2判パネル46枚で発表。戦争を知る80代や函館山でウオーキングを楽しむ50―70代を中心に、多くの市民が訪れた。本書はその展示資料をまとめた。「若い世代に函館要塞について知ってもらいたい。そのためにも分かりやすい資料が必要」と富岡会長。

 写真はほとんどがカラーで約170枚使われている。施設の鳥瞰図と写真を並べ、大きさや形が分かりやすくなっている。富岡会長は「レンガ、コンクリートを用いた当時の技術も鮮明に分かると思う」と話す。

 A4判、78ページ。100部を作成し、希望者は一部3200円で販売する。問い合わせは富岡会長TEL0138・52・0783。

update 2009/6/6 11:36
提供 - 函館新聞社


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