寺中哲二さん 日本教育音楽協会の功労者に
函館在往の道教大名誉教授寺中哲二さん(76)がこのほど、日本教育音楽協会(本部・東京)の「2008年度音楽教育功労者」に選ばれた。函館をはじめ、道南の音楽教育進展に大きく貢献した功績が認められての受賞。寺中さんは「ありがとうございます」と喜んでいる。
この表彰は音楽教育者が対象で、同年度は寺中さんをはじめ、全国から7人が選ばれた。
寺中さんは1933年函館で生まれ、56年道学芸大函館分校(現道教大函館校)を卒業後、委託生として東京芸大音楽学部を修了し、同年、函館中央中学校(現函館凌雲中)に勤務。戦後、市内の教育機関で初めて吹奏楽団を創設した。63年に旧函館北高校、74年に道教大函館校の講師となり、それぞれで吹奏楽団を創設。吹奏楽コンクールで全道・全国大会出場に導くなど道南の吹奏楽発展と音楽教育に尽力したほか、函館地区吹奏楽連盟理事長、函館音楽協会会長などを歴任し、97年に市文化賞を受賞、99年に道教大名誉教授となった。50―60年代の函館は吹奏楽が盛んでなく、寺中さんは教え子の愛器を自ら修理するなど苦労も絶えなかったという。
受賞の知らせが届いたのは3月上旬。「このような光栄な賞を頂くことができてうれしい」と妻洋子さん(71)とともに喜んでいた寺中さんだったが、体調不良で5月に東京で開かれた表彰式は欠席した。届いた表彰状を手に、ようやく喜びをかみしめることができた。
日本教育音楽協会函館支部長で函館短大の佐々木茂教授(64)は「寺中さんは穏やかで、人間的な魅力にあふれ慕う人が多い。多くの吹奏楽団を輝かしいコンクール入賞に導いた功績のほか、音楽教諭や演奏家など全国各地で活躍する人材を生み出してきたことも素晴らしい」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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