今月から薬事法改正…市内コンビニ 動き慎重
改正薬事法が今月から施行された。新設の「登録販売者」を置くことで、薬剤師がいなくても副作用のリスクが少ない大衆薬を販売できることになった。コンビニエンスストアなどで販売を手掛ける店が出てきそうだが、函館市内で目立った動きはなく、市民が改正法の恩恵を受けるのはまだ先となりそうだ。一方で市場を独占してきたドラッグストアは登録販売者の確保に加え、薬剤師がいないと販売できない薬を手の届かない場所に移し替えるなど、対応に追われている。
改正薬事法では一般用医薬品を3つに分類。「H2ブロッカー」を含んだ胃薬など副作用のリスクが高いものを1類、かぜ薬や鎮痛剤を2類、ビタミン剤などは3類に分けるとともに、店舗では分類ごとの陳列が義務付けられた。
薬剤師の対面販売が必要な1類以外では、1年以上の実務経験を積んだ「登録販売者」が2、3類の薬を販売できる。市立函館保健所によると、市内の登録販売者は3日現在で151人。
この規制緩和で、コンビニやスーパーなどの一般販売業でも登録管理者を置けば販売が可能となったが、函館市内で展開するコンビニ大手各社で、販売に踏み切った店舗はない。
市内で46店舗を展開するセブン―イレブン・ジャパン。1日から東京都内1店舗で登録販売者による試験販売を始めているが、北海道など地方への展開は今後検討するという。同社広報センターは「登録販売者の資格を持つ人材の確保が大きなネック。全国展開は試験店舗での販売動向を見極めてからになる」と慎重だ。
一方、ドラッグストアの動きは素早い。「クスリのスズラン本町店」(函館市本町25、佐藤弘隆店長)は今月から登録販売者を4人配置し、1類の薬は手の届かない場所に置いた上、販売は併設する調剤薬局の薬剤師が対応する措置を取った。登録販売者は今後、従業員が試験を受けることで増やす。佐藤店長は従業員が勉強し、薬の知識をつける意味で法改正を歓迎しながらも「コンビニや電気店、ホームセンターなど異業種の参入は脅威だ」。
函館薬剤師会(木下康昭会長)では先月、改正法に備えた講習会に幹部が参加。加盟会員には1類の薬の販売日や担当者、連絡先などを明記したシールを配布している。内山崇常務理事は「(1類に関しては)購入前に副作用のリスクを説明したり、服用後の容態チェックなどが必要。顧客への説明責任を果たしていかなくては」と気を引き締める。
提供 - 函館新聞社
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