支庁再編 振興局の組織体制…知事と地元は腹の探り合い

 【江差】道の支庁再編をめぐる高橋はるみ知事と桧山管内7町の直接対話が1日に再開された。地元側が求める産業振興部門を中心とする振興局の組織強化について、知事サイドから踏み込んだ発言はなく、約2年ぶりに再開された両者の対話は、振興局の具体像をめぐり腹を探り合う格好になった。

 高橋知事との意見交換会で、工藤昇上ノ国町長は、道議会で3月、桧山など5つの振興局を、総合振興局の“出張所”に格下げする再編条例が改正され、現行の14支庁を同等に戻したことを評価しながらも「これまでと同じ轍(てつ)を踏みたくない。道と市町村が共通認識に立つ努力が必要」と迫った。

 支庁再編をめぐって知事サイドと道町村会など地方サイドは激しく対立。政府与党を巻き込み激しいつばぜり合いを演じた。再編条例の改正を受けて、両者の対立には一応の終止符が打たれ、雪解けムードも広がるが、振興局の具体像や知事サイドの思惑が見えない中で、あえてくぎを刺す格好になった。

 桧山7町が強く求めた振興局の産業部門の強化について、高橋知事は会議終了後、報道陣に対して「充実は難しいが現状維持は不可欠だ。行革とのバランスを考慮する必要がある」と述べ、農業改良普及センターや水産技術指導所などの体制は維持するものの、振興局に移行する支庁組織のあり方については明言を避けた。

 意見交換会は4―5月、根室、留萌、日高、石狩の4管内でも開催され、桧山が最後になった。高橋知事は5地域すべてで、これまでの対話不足を陳謝し、地方サイドとの対話路線を強調したが、焦点となっている振興局の組織体制をめぐる議論の先行きは不透明なままだ。5つの振興局地域との対話再開をきっかけに、道は支庁再編をめぐる議論を加速する考えだが「道内部で振興局の縮小論は根強い。職員数について過大な期待は禁物」(関係者)との見方がある。管内のある町長は「知事の真意が見えない。もろ手を挙げて賛成するという状況にはない」とし、道に対する警戒感は依然として払しょく仕切れない現状にある。

 道町村会長の寺島光一郎乙部町長も「14支庁を同等に扱うという趣旨の下で再編条例は改正された。総合振興局と振興局の間で、組織や機能に大きな差を付けるべきではない。支庁再編だけでなく、肥大を続ける本庁改革の道筋も早急に示すべきではないか」と述べ、道の対応をけん制している。

update 2009/6/3 09:25
提供 - 函館新聞社


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