湯の川の老舗旅館全焼
1日午後2時40分ごろ、函館市湯川町2の温泉旅館「鱗(うろこ)旅館」から出火、木造一部2階建て延べ約1373平方メートルのうち、旅館部分約1188平方メートルを全焼した。出火当時、経営者の松村京子さん(79)ら2人が旅館内にいたが屋外に逃げて無事、ほかに宿泊客はなく、けが人はなかった。一部、2階部分が焼け落ちたため、消防隊による活動は深夜まで継続した。一時、建物からの黒煙が周囲一面に立ちこめ、松倉川沿いは、消火活動を見守る市民らで騒然となった。
函館中央署や市消防本部などによると、出火当時、男性調理長(68)が1階にある調理場で宿泊客の夕食を準備中、天ぷら鍋に火をかけたまま、その場を一時離れた際に燃え広がったとみられる。調理長は消火器で自力消火を試みたが、火の勢いが強く、消防に通報した。
同旅館関係者の男性(69)によると、同旅館は創業前からあった建物の一部を利用し、1954年に創業。客室が1、2階合わせて14部屋あるほか、大浴場があり、同日は3人の予約があったが、来館前だったという。
現場は「松倉川」と「湯の川」が合流する付近の川沿いで、旅館やホテルが立ち並ぶ函館観光の中心となる温泉街。近くに住む主婦(57)は「ものすごく真っ黒い煙が上がっていた。建物も古いしひとたまりもないでしょう」とこわばった表情で話していた。
同旅館が加盟する函館湯の川温泉旅館協同組合(金道太朗理事長、23施設加盟)は、「道内有数の温泉街として、火災にはこれまで以上に細心の注意を払わなければならない。防火体制をあらためて徹底し、再発防止に努めたい」としている。
同署と消防では2日午前、実況見分を行い、詳しい出火原因を調べる。
提供 - 函館新聞社
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