日本語滑らか 思い語る…「外国人による日本語弁論大会」

 函館開港150周年記念「第50回外国人による日本語弁論大会」(函館市、国際教育振興会、国際交流基金主催)が30日、函館市民会館(湯川町1)で開かれ、中国や韓国など10カ国12人の在日外国人が日本語のスピーチ力を競った。地元函館から出場し、来日して学んだことや平和の尊さを語ったドミニク・バゲンダ・カスッジャさん(ウガンダ)が最高賞に当たる外務大臣賞と会場審査員賞のダブル受賞を達成。文部科学大臣奨励賞にはシャポヴァーロヴァ・スヴェトラーナさん(ロシア)、主催団体特別賞には官琳(中国、カン・リン)さんが受賞した。大会には高円宮妃殿下が出席された。

 外国人と日本人との相互理解や友好親善を図っていこうと1960年に創設した大会。97年までは東京で開かれていたが、98年から全国各都市が持ち回りで開催。開港150周年の函館で節目の50回大会を開いた。今大会には27カ国約130人の応募があり、予選審査を通過した12人が晴れの舞台に進んだ。

 出場者は来日当初に戸惑った日本の風習などエピソードや、独自の視点で見つめた日本社会や日本人像についてよどみなく語った。一橋大学のモンゴル人留学生、バータルホ・ホス・エルディンさんは「熱い視線」と題して他人と視線を合わせない日本人の習慣を考察。上智大の韓国人留学生、金茶恵(キム・ダへ)さんは日本と韓国の喫煙文化を比較し、「韓国ではたばこを吸う女性は嫌悪の目で見られるので人前では吸わない」と述べた。

 外務大臣賞を受賞したバゲンダさんは「北の国で学んだ三つのこと」と題して発表。函館の冬を経験して、春の到来に感動したことや雪かきでの失敗談を紹介。日本の戦後を冬の後に来る春に例え、「アフリカや中東など戦争が起きている国々に戦後の春が来ると信じている」と語った。また、函館から出場した馬麗(中国、マ・リ)さんは「私の少子化対策」と題して発表した。

 受賞にバゲンダさんは「賞に選ばれるとは思わなかった。とても幸せな気分」と笑顔を見せ、馬さんも賞を逃したものの「12人の中に選ばれただけでも良かった。また機会があればチャレンジしたい」と話した。

 閉会式では、水谷修審査委員長が「これからも理想を高く持って日本のことを勉強し、日本人の手本になるくらいになって」と激励。開催地を代表し西尾正範市長が「開港150周年記念として大会を開催できたことは意義のあること。わたしたちの考え方を見つめ直す機会になった」と述べた。

update 2009/5/31 10:25
提供 - 函館新聞社


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