「電子たばこ」じわり浸透…道南でも売れ行き上々
31日は世界保健機関(WHO)が定める世界禁煙デー。国内外を問わず禁煙の動きが進む中、吸うと先端の発光ダイオードが赤色に点灯し、擬似喫煙の気分が味わえる「電子たばこ」が、新たな禁煙ツールとして全国的に注目を集めている。道南地域の取扱店でも売れ行きは上々で、今後さらに浸透する可能性がある。ただ、見た目には通常の喫煙と変わらないためトラブルの原因となりかねない面もあり、交通機関が使用を制限する動きも出始めている。
電子たばこは、吸うと香料を含む煙状の水蒸気が放出される。ニコチンやタールを含まないため受動喫煙の心配がなく、火も使用しない。カートリッジを交換することで好みの味が楽しめる。道内の代理店「インワールド」(札幌市)によると、特許の関係で中国製の製品が大半を占めるという。
購入は現在のところ通販サイトが主流だが、道南地域ではドン・キホーテ函館七重浜店(北斗市七重浜7)で、昨年12月から販売を開始。価格は3800円から2万円程度で、通常のフィルター型のほか、葉巻型などがある。当初は1カ月に数セットしか売れなかったが、先月は月に約100セットが売れた。鈴木陽平店長は「購入者はたばこをやめたい人が大半。人気はまだ続くのでは」。
市立函館保健所によると、函館市民の喫煙率は25・9%(2006年度調べ)。前回調査した01年度から11.1ポイント減少と、たばこ離れが着実な中での電子たばこの登場に、同保健所健康づくり推進室は「本来なら病院での治療を勧めたいが、ニコチン依存度の低い人であれば、電子たばこの使用で禁煙できるケースもあるのではないか」と、禁煙法として一定の効果を認める。
しかし、電子たばこの作りは本物と見間違えるほど精巧で、通常の喫煙との見分けはつきにくい。JR北海道は今年3、4月に列車内で乗客が電子たばこを吸う目撃情報が3件ずつ寄せられたのを機に、今月から「スーパー白鳥」などを除く道内発着の全列車で使用禁止に踏み切った。同社広報部は「水蒸気とはいえ、見た目には不快感を与えかねない」と話す。
健康に害を及ぼさないとはいえ、使用場所には注意が必要と言えそうだ。
提供 - 函館新聞社
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