本紙「レッツトライ理科実験」渡辺先生執筆「物理のキホン」が出版
本紙に毎週土曜日掲載の「Let’s Try(レッツトライ)理科実験」を担当する市立函館高校の渡辺儀輝教諭(43)が執筆した「おもしろ実験と科学史で知る 物理のキホン」がこのほど、東京の出版社ソフトバンククリエイティブから出版された。現代の数式や法則が生まれるまで、古代から科学者らがどう自然法則を考え、解釈を発展させてきたかという科学史を、身近な素材を使った84の実験を交えて解説している。渡辺さんは「少しでも物理や科学に興味を持ってもらえれば」と話している。
2007年に刊行された渡辺さん初の著作本を目にした同社が、昨年夏に出版を持ち掛けた。今回は高校生から高齢者まで幅広い読者をターゲットとし、分かりやすくまとめた科学史にちなんだ実験を主に「Let’s Try理科実験」の掲載内容から引用して再構成した。
力学、熱、光、電気、流体の5章で構成。電気の章では、静電気の存在を広めた古代ギリシャの哲学者の話題から始まり、電気の正体が判明するまでの論議などを紹介。発明家として有名なエジソンが直流送電システムを確立しようと激しい論争を巻き起こしたエピソードもある。実験では電気をためる道具として発明された「ライデンびん」の作り方や、このびんを使って当時ヨーロッパで行われていた放電実験などを盛り込み、科学史の要点を手軽に体感できる仕組みになっている。
渡辺さんは「読み物としても通用するよう心掛けた。ページ配分と実験の選定に苦労した」と振り返る。「科学は人間の“思考のリレー”で出来たことを感じてほしい。これを読み、8月のはこだて国際科学祭にも足を運んで」と話している。
オールカラー222ページ。税込み1000円。8000部を作製し、全国の主要書店で取り扱っている。
【写真説明】著作本を手に「いろいろな人に楽しんで読んでもらいたい」と話す渡辺さん
提供 - 函館新聞社
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