函館市の観光客 4年連続500万人割れ 20年前の水準に
函館市の2008年度の観光客数は前年度比25万6000人(5・3%)減の456万2000人で、4年連続で500万人割れとなった。減少幅は有珠山噴火が起きた2000年度に次いで多く、市観光コンベンション部は「ガソリンをはじめとする燃料の高騰や世界的な経済不況など全国的な観光旅行減少傾向に加え、昨年11月以降の航空機の減便、高速フェリーの休止が響いた」と話している。1989年の428万7000人までの水準に落ち込む厳しい結果となった。
29日に市が発表した。08年度の上期(4―9月)は前年同期に比べ11万1000人(3・5%)減の310万9000人、下期(10―3月)は同じく14万5000(9・1%)減の145万3000人。月別に見ても、サクラの開花シーズンの4月を除き、5月から翌年3月まで前年割れと苦戦した。
交通機関別の客数は、フェリー以外は前年割れ。一番多かったバスは178万1000人で、前年度比7・7%減、以下、JR118万8000人(同2・3%減)、乗用車71万5000(同4%減)、航空機60万7000人(10・5%減)と続く。特に乗用車はガソリンなど燃料が高騰した上期に、航空機は減便や機材の小型化が相次いだ下期に減少幅が大きかった。
唯一増加に転じたフェリーは、07年9月に就航した青森―函館間の高速フェリーが道外客を押し上げ、その後の休止で減少傾向となったものの、結果的に前年比8・7%増の26万9000人に達した。
市の観光客は98年の539万人をピークに減少傾向。同部はツアーなど団体旅行の需要が伸び悩み、他都市との競争も激化していることを要因に挙げる。
500万人の大台回復には厳しい実情はあるが、同部は今年8月に開催される函館開港150周年記念事業を観光客増につなげ、個人・少人数に対応した観光メニューの創出や10年の東北新幹線新青森開業を見据えた観光戦略で減少に歯止めをかけたい考えだ。
提供 - 函館新聞社
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