版画家・佐藤国男さんの「セロ弾きのゴーシュ」再出版

 函館在住の木版画家、佐藤国男さん(57)がこのほど、宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」の作画を手がけた絵本を、さんこう社(東京)から出版した。以前リリースした同タイトルの絵本が絶版となったことを受けての再出版で、すべての版画を作り直した力作。佐藤さんは「また出版できて非常に感激している」と話している。

 佐藤さんは1992年、「セロ弾き―」の絵本を福武書店(現・ベネッセコーポレーション)から出版。しかし、同社が絵本の出版を取りやめたことから、いつしか絶版となっていた。

 賢治の作品をモチーフにした創作活動をライフワークとするだけに、再出版は佐藤さんにとって長年の夢。友人で、函館ラ・サール高校教諭のピーター・ハウレットさん、推薦文を寄せた文化人類学者の辻伸一さんとともに出版社を探し回った末、17年ぶりの再出版にこぎつけた。

 今回作り直した版画は、表紙を含めて全22枚。柔らかな木のタッチの中に、ゴーシュや猫らの表情がりりしく描かれ、賢治の文章とマッチした独特の世界が広がる。

 絵本は40ページ、オールカラー、1785円。ギャラリー村岡(元町2の7)で販売している。同ギャラリーではまた、再出版を記念した作品展も31日まで開き、絵本に使った版画も展示している。佐藤さんは「賢治の作品は日本の心を代表するもの。多くの人に見てもらいたい」と話すとともに「絵本を第2弾、第3弾とつなげていきたい」と意気込んでいる。

update 2009/5/30 12:38
提供 - 函館新聞社


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