ナルミが自己破産申請 負債総額は80億円
【乙部】経営破たんした建設系資材商社・ナルミ(乙部町、古畑篤社長)が28日、函館地裁に自己破産を申請した。民間信用調査機関の帝国データバンク函館支店などによると負債総額は約80億円。同社を含めたグループ8社の負債総額は100億円を超える見込みとなった。
同社は4月30日、資金繰りに行き詰まり事実上倒産。4月末時点の負債額を約45億円としたが、その後の調査で総額が大きく膨らんだ。同社が明らかにしたグループ企業7社の負債は約25億円に上り、グループ全体の負債総額は100億円を超えた。グループ企業のうち、丸善産業(乙部町、杉村敏彦社長)は10億4400万円、新栄生コンクリート(八雲町、古畑篤社長)は1億3000万円の負債を抱えて事実上倒産。下請企業や取引先など8社も連鎖倒産しており、関連先の負債額の合計も30億円規模に達する見込みという。
同社は1912年創業。ピーク時の2004年3月期には49億2300万円の売上があった。江差町など檜山南部を中心に、相次いで不動産を取得し、商業団地や宅地の造成を展開したほか、経営不振に陥った建設会社などを次々と傘下に収めていった。しかし、関係者によると、グループ会社や関連企業の間では、商取引の実態が無い“融通手形”を振り出し、金融機関や手形業者などで現金化を繰り返すといった、不透明な資金操作が恒常的に行われていた。
今年1月には、古畑氏と密接な関係にある江差町の業者が多額の損失を抱え、融資約2億円が焦げ付く恐れが生じたため、運転資金をねん出する目的で、同社やグループ企業、関連会社の名義で融通手形を乱発。手形の一部は闇金融などにも出回っているという。しかし、資金の具体的な流れは依然として不透明な状態にある。取引先の金融機関は、粉飾決算の疑いが濃いと判断しているほか、融通手形などを悪用して、不正に融資を引き出された可能性もあるとみて、法的措置も視野に今後の対応を協議している。
提供 - 函館新聞社
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