函館の原風景 撮影 「海炭市叙景」映画化でクレーン解体前に先行ロケ

 函館出身の作家、故佐藤泰志の小説「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」の映画製作で、初めてとなる函館市内での先行ロケが順調に進んでいる。24日は、解体・撤去が迫った函館どつくの大型クレーン(ゴライアスクレーン)を背景にしたさまざまなシーンを撮影。子役に起用された地元の小学生兄妹も熱心に役を演じ、熊切和嘉監督(34)=東京在住=は「実の詰まった映像が撮れ、手応えを感じる」と話している。

 正式なクラインクインは来年2月の予定だが、大型クレーンの解体前に「函館の原風景」として映像を残そうと急きょ企画された。熊切監督はカメラマンの高橋正信さん(35)と23日に来函。26日まで函館ロケを行う予定。脚本は未完成だが、今回は主人公の兄妹の幼いころを振り返る回想シーン十数分を撮る。

 24日は穏やかな天候に恵まれ、函館どつく函館造船所や入船漁港などでロケを実施。クレーンを背に子どもが廃材で作ったいかだを海に浮かべ、乗り込む場面などを撮影した。

 この日は実行委メンバー約10人も応援に駆け付け、小道具の用意や撮影移動などで協力。現場は緊張に包まれながらも、熊切監督は楽しそうに映像をチェックしたり、子どもたちに声を掛けるなどし、撮影は終始和やかな雰囲気で進んでいた。

 子役として出演した函館南本通小5年の中野敬輔君(10)は「周りに人がいて緊張したけど上手にできた」と笑顔を見せ、同2年の桃さん(7)は「監督は優しいし、楽しい」と話していた。

 高橋さんは「クレーンを背景にした映像は収穫だった。見応えのある作品になるのでは」と話し、熊切監督は「感の良い子どもたちだったので演技も良く、脚本化のヒントも得られた」と話していた。

update 2009/5/25 11:40
提供 - 函館新聞社


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