「道教育の特徴」で持論 全国地方教育史学会第32回大会
全国地方教育史学会第32回大会(同学会主催)が24日、道教育大函館校で行われた。地域教育に有用なさまざまな歴史を研究する全国各地の研究者ら約45人が参加。公開シンポジウムでは道教育大函館校非常勤講師の井上能孝さん、函館短大講師の佐々木貴文さんが「内と外から見える北海道教育の特徴」との演題に沿って持論を展開した。
毎年この時期に行われる同大会は、各地の地域教育に関する特色ある歴史について会員が研究を報告し、実りある意見交換や議論を交わすことで互いの地域に理解を深めることなどが目的。
井上さんは「函館英学に起因する教育機関の系譜」と題し、後の東京大学となる藩書調所と比肩された塾・諸術調所の教授を務めた武田斐(はや)三郎を取り上げた。「1856年に設立されたこの塾は階層や身分に関係なく、学問に志す者なら誰でも通うことができた」と述べ、「時代が時代だけに当時はそんな開けた塾は他になく、それこそ命がけの勇気と決断力がなければできたことではない」と強調。72年から函館に設けられていった英学塾のおかげで、当時の人々が英語を解するようになった点にも触れた。
佐々木さんは「大正期における露領漁業への人材供給」をテーマに、函館を主要な根拠地とした露領漁業が道外(北陸)の水産教育を受けた人たちによって支えられていた実情を語った。
また、シンポジウムに先立ち、研究者8人によるそれぞれの研究発表、全体討論も行われた。
提供 - 函館新聞社
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