鷲ノ木遺跡で高速道路トンネル工事本格化

【森】文化庁が昨年9月に世界文化遺産暫定リストに加えた「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」に含まれる鷲ノ木遺跡(森町鷲ノ木町)で、今月上旬から高速道路トンネル工事が本格的に始まった。国指定史跡でもある同遺跡を保存するための作業で、工事関係者は「細心の注意を払いながらじん速に作業を進めていきたい」としている。

 同遺跡からは、道縦貫自動車の建設にかかわる発掘調査の過程で、道内最大級の環状列石(ストーンサークル)や竪穴住居跡などが出土。「歴史的価値ある遺跡を残してほしい」との地元住民の強い要望を受け現地保存が決定し、当初の計画を変更して遺跡の真下にトンネルを通すことになった。

 トンネルの全長は約86メートルで、このうち約46メートルが遺跡の真下を通る。完成予定は来年の秋ごろで、多様な地形や用地に対応できる「アール・アンド・シー工法」という手法の掘削を行っている。遺跡を壊さないように土台をしっかり組みむなど、手作業で行われる作業も多く、遺跡に浮き沈みがないか、毎日測量を行いながら確認をしている。

 工事を総括する東日本高速道路株式会社北海道支社函館工事事務所(NEXCO東日本)の中村明森北工事区工事長は「遺跡に影響を与えないように慎重に作業を行いたい」と話した。

 町教委の文化財保護係主任高橋毅さんは「鷲ノ木遺跡の環状列石は道内で一番大きくきれいに石が並ぶ特徴があり、学術的にも価値は大きい」と工事の無事を祈っている。

update 2009/5/15 11:59
提供 - 函館新聞社


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