大妻高卒業生の塩尻さんケニアに洋裁学校、40年ぶりに来校に

 函館大妻高校で学んだ縫製技術を生かし、ケニアで貧困層の若者らに洋裁を教える専門学校を創設した塩尻美智子さん(57)=ケニア在住=が13日、約40年ぶりに母校を訪れた。当時の担任教諭とも再会した塩尻さんは「学校の経験がきっかけ」と懐かしみ、「技術を身に付け頑張ってほしい」と後輩たちへの激励の思いを語った。

 塩尻さんは函館出身。花嫁修業にと同校家政科に進学した。23歳の時受けた右また関節の手術で医師から再発の可能性を告げられ、「これまでの健康に感謝し、今後は人の喜ぶことに足をささげよう」と決意。1990年に夫、5人の子とケニアに移住し、NGOアフリカ児童教育基金の会設立メンバーとして現地事務所の立ち上げに尽力した。

 95年、子育てが一段落したのを機にミシン教室を始めたところ、エンブ市から土地提供を受け、本格的な洋裁教室に発展。現地の要望で自動車整備や塗装などコースも増やした結果、現在は全国国家試験指定校のエンブ技術専門学校として約150人の生徒を抱えるまでになった。

 また、移住した年に9歳だった長女をマラリアで亡くした悲しい経験から、子どもの診療所を開設するなど現地の医療環境の改善にも寄与。現在は学校や診療所運営などに携わる傍ら、日本での支援集めや講演活動に励んでいる。

 今回の来校は妹の白木厚子さん(55)=七飯町在住=が知り合いの石川兼司同校元PTA会長を通じて企画した。

 外山茂樹校長らと面会した塩尻さんは「大妻で培った技術があったからケニアで教えることができた」と話し、教え子の中には店を開いたり、洋裁技術を生かして収入を得て家族を支える人がいることを紹介。当時担任だった久保孝夫さん(71)と共に卒業アルバムを見たり、校内を見学するなどして在学時を懐かしんでいた。

 久保さんは「先代の外山ハツ校長の遺志を継ぎ、世界に技術を広めているとは心強い」と感激した様子で、外山校長は「学校としても支援協力したい」と話していた。

update 2009/5/14 09:59
提供 - 函館新聞社


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