若者ドライバー スピード好まぬ…道警本部が意識調査
道警本部交通部交通企画課交通総合対策センターは、25歳未満の若年運転者を対象とした「交通事故実態と意識変化」をまとめた。同調査は、1997―2008年の若年者事故の統計データと、実際に事故を起こした若年者から97年と07年に同一項目で実施したアンケートを元に傾向を分析。最近の若年者は、車の運転が趣味から実用的なものに変わり、速度よりスタイルを重視する傾向が顕著となり、ライフスタイルの多様化が若年ドライバーによる事故減少の一因となっていることが垣間見えた。
統計データからは、少子化などを背景に、全事故件数に占める若年者の構成比率は12年間でほぼ半減。97年と08年を比較すると、若年者が第1当事者となった人身事故は、7143件から2925件に、死亡者数も186人から37人に大きく減少した。死者総数に占める若年者の構成比率も約30%から約16%と減っている。
違反別に死亡事故を見ると、若年者は速度超過が最も多いが、構成比率は51・6%(97年)から35・1%(08年)に減少。ブレーキやハンドル操作など、事故回避行動直前の速度を示す「平均危険認知速度」は、時速78・1キロ(97年)から時速66・3キロ(08年)と低下している。しかし、若年者以外では、速度超過に起因する事故より、前方不注意の構成比率が高く、危険認知速度も時速48・1キロ(08年)であることから、若年者はスピードを出しがちな傾向にあることがうかがえる。
また、97年と07年の意識調査を比較すると、主な運転目的がドライブから通勤に変化し、走り慣れた生活圏内での事故が多くなった。車を選ぶときも、速度性よりスタイルを重視する傾向にあり、より実用的な側面が強くなった。速度に関する認識では「高速走行は気分がいい」とする回答が62%から37%に減少し、「好まない」「怖い」と否定的な意見が増加。「高速走行とは時速何キロ以上か」の項目では、97年に80%が「時速100キロ以上」と答えたのに対し、07年は47%に減少している。
同センターでは、携帯電話やインターネットの普及にともない、若年者の趣味が多様化したことに加え、運転機会や免許人口の減少、速度性を重視しない趣向の変化が、大幅な若年者事故の減少につながっていると分析している。
提供 - 函館新聞社
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