市内大学、学生確保へ独自色
少子化で大学間の学生獲得競争が厳しさを増す中、函館市内の大学は特色作りに力を入れている。学費の値下げや学科再編、ブランドの構築に乗り出す大学も出てきた。各校は生き残りを図るために独自色を打ち出しつつ、連携強化で地域全体の魅力度アップを目指す。
23日、2010年度の学科統合と入学定員削減を発表した函館大学(溝田春夫学長)。学科再編の目玉は共通科目「商学実習」の新設だ。
函館の地域性から「観光」と「食」にスポットを当て、地域企業と協力して学生がイベント企画や市場調査などを実施。活性化に向けた課題を検討した結果を地域へ発信する。同大を経営する野又学園の野又淳司常務理事は「身近で国際的な分野。地域を題材にして商学の魅力を伝えたい」と狙いを語る。同大は入学金と学費の引き下げにも踏み切り、志願者増を目指す。
同学園の函館短大は本年度から保育学科を開設した。函館医療保育専門学校の保育科を移行する形で、「より高度な教育環境を整え、社会的ニーズに応えたい」(野又常務理事)という。
一方、教員養成系から教養系へと課程変更した道教大函館校は、本年度から独自のブランド化に着手した。デザイナーの協力を受け、教職員や学生、地域住民に学校のイメージを調査し、学校の「良さ」や「売り」をデザイン化する。完成したキャラクターなどは今後の広報活動で全面的に打ち出す計画だ。大江洋広報室長は「(教員の資質向上などの)FD活動と2本柱とし、質、量ともに向上させたい」と意気込む。
また、ロシア極東大函館校はロシアビジネス関連の科目強化の準備を始め、即戦力となる人材育成を目指す。
こうした大学個別の取り組みに加え、市内では8高等教育機関が連携し、地域全体で魅力を高めようという組織活動「キャンパス・コンソーシアム函館」も本格化している。本年度からは在籍校以外の講座でも単位認定が可能になる「単位互換」制度も本格的に始まった。
事務局は「多くの学生に活用してもらい、魅力ある高等教育機関づくりを進めたい」と話し、各校の特色作りにもつなげたい考えだ。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。