函館大学が2010年から再編、入学定員150人に削減
学校法人野又学園の函館大学(溝田春夫学長)が23日、2010年度からの再編計画を発表した。入学定員を50人削減し、商学科と英語国際ビジネス学科の2学科を商学科のみの1学科に統合。入学金と年間の学費を改定し、合計19万円値下げする。少子化が進み、地域経済の厳しさも増す中、学生の実態に合わせて教育資源を集中させ、財政健全化を図る考えだ。
同日、函館市役所で会見を行った溝田学長らによると、同大の入学定員は現在200人。しかし、02年度から毎年定員割れの状況が続き、過去5年間の入学者数平均は154人に落ち込んでいた。
新しい商学科(入学者定員150人)は企業経営、市場創造、英語国際の3コースで構成。英語国際コースは英語国際ビジネス学科の教育内容を引き継ぐ形となる。
学科再編に伴い、全コースで3年間にわたる科目「商学実習」を新設。学生が企業・ビジネスについて研究し、現場にも出向いて実践力を身に付けるのが狙い。また、高校情報の教職課程を返上する一方、従来の中学・高校英語、高校商業に加え、中学社会と高校公民の一種免許を取得できるようにする。
学費改定ではより多くの学生を確保するため、入学金を従来の15万円から10万円に変更。年間の学費は112万円から98万円とする。
野又学園は05年度決算以降赤字の状態が続いており、昨年度は約1億円の赤字となった。学校別には公表していないものの、同大単独でも04年度から赤字の状態が続いているという。学生定員減に伴い、文科省の設置基準に基づく教員定員数も減る。現在32人の教員は15年度までに24―26人となる見込みで、人件費を含めた経費の節減により経営改善を図っていく。
溝田学長は「厳しい経営状況を踏まえての決定。(学科再編などで)4年後には収支の均衡を図りたい」と説明。新科目について「学生に商学の面白さを理解してもらい、街の発展にも貢献したい」と話した。
野又学園は現在、函館を中心に9つの教育機関と自動車学校1校を経営。このうち、函館ビジネスアカデミー専門学校と日本ビジネス綜合専門学校(札幌)は昨年度から募集を停止している。
提供 - 函館新聞社
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