ユジノ便運休 状況を説明…サハリン航空
函館とロシア・ユジノサハリンクスを結ぶサハリン航空定期便が22日から運休した。同航空のコマーシャル・ディレクター、スピチェンコ・ワレリー氏は同日、函館市役所を訪れ、5月27日まで定期便を運休することを正式に伝えるともに、利用客の伸び悩みで今年1―3月の累積赤字額が10万ドル以上に膨らみ、経営危機に陥っている状況を明らかにした。同氏は27日以降の運航方針は明らかにしなかったが、定期便の維持が難しい状況に陥っている。
スピチェンコ氏は同航空日本総販売代理店UTSエアサービスの郭成浩社長とともに訪れ、谷沢広副市長と高橋良弘空港港湾部長に同便の運休に至った経緯と会社の窮状を説明した。谷沢副市長も定期便の存続を望む立場で路線維持に協力していく考えを示した。
会談後の記者会見で、スピチェンコ氏は状況説明が目的で、支援要請ではないことを強調。今年1―3月までの利用客が前年より44%減り、赤字路線に陥った要因として@世界的な経済危機の影響Aサハリンの石油、ガスを開発する「サハリン2」が終了したことで、ビジネス客が減少B利用客がウラジオストク航空が運航する東京―ユジノサハリンスクの直行便(チャーター便)に流れた―の3点を挙げた。赤字額が10万ドル以上となった状況について「解決しなければ問題」と危機感を募らせた。
運航の再開には具体的に言及はせず「便を継続させるために解決策を探している」と述べるにとどめた。
説明を受け、高橋部長は「ユジノサハリンクスとは姉妹都市も結び、ロシアと函館は深いつながりがある。将来展望を含めれば路線は大事。今後市として何ができるのか検討していきたい」と語った。
同定期便は1994年に就航し、現在は週1回の運航。年間利用客は1998年度の7092人をピークに減少傾向となっており、2007年度、08年度は3253人、2785人と低迷している。
提供 - 函館新聞社
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