定期便維持で考え一致…A―netの丘珠撤退検討 札幌市・井上部長 今後の対応説明
航空大手、全日空(ANA)のエアーニッポンネットワーク(A―net、東京)が、函館など道内5市町と丘珠空港(札幌市)への発着便を新千歳空港(千歳市)に集約することを検討している問題で、札幌市市民まちづくり局総合交通計画部の井上力部長が21日、函館市役所を訪れ、谷沢広副市長にこれまでの現状や札幌市の今後の対応を伝えた。対談は非公開で行われたが、両市とも丘珠空港への現就航便を維持する考えで一致し、情報交換していくことを申し合わせた。
井上室長はANA側の申し出を受けて、16日から中標津町や釧路市など丘珠空港を発着する空路を持つ市町を訪問していて、函館が最後の5カ所目。
対談後に記者会見した井上室長は「今回は市で知り得た情報を関係市町に正確に伝えることが目的」とし、就航便維持に向け協力要請ではないことを強調した。谷沢副市長との対談については「札幌市の考えや航路がなくなった場合の影響面など理解されたと受け止めている」とした。
今後の協力体制の方向性については、それぞれの事情や立場、航空事業者のかかわりの違いがあることから明言を避けたが「航空事業の公共性の観点で搭乗率の向上や路線発展に向け知見を高めあうことは可能。5市町で意見交換するのは極めて重要」との見解を示した。
札幌市は丘珠空港ビルに出資し、空港周辺も整備しいて、A―netの搭乗率、空港ビル収益のシェアも高いことから、「空港ビルの存亡にかかわり、高速交通網や空港整備を主とした都市政策にも影響する」としANA側に再考をするよう求めている。
谷沢副市長は「札幌市と互いに共有の課題を持っている。丘珠への路線の方がビジネス客を中心に利便性が高く安定路線と認識している。関係市町とも情報を共有しながら対応していきたい」と述べた。
提供 - 函館新聞社
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