ヘルパー2級資格の取得増加

 介護利用者の身の回りの世話をするホームヘルパー2級資格取得の養成講座や研修の需要が、函館市内の専門学校などで高まっている。全国的な傾向で、これまでは介護職を希望する女性が多かったと言われたが、昨年から中高年の男性ら失業者が求職のために資格を取得するケースが増えているようだ。介護現場は慢性的な人手不足が続きヘルパー養成は求められているが、一方で、もともと介護職を希望していなかった資格取得者が増えることで資質向上も新たな課題となりそうだ。

 ホームヘルパーの資格は厚生労働省で定められたカリキュラムに沿った一定レベルの講習を修了することが条件。実務経験が必要ない2級と、ある程度必要な1級がある。国家資格ではないため試験などはなく、各都道府県によって資格が認定される。養成講座や研修を実施する機関は、都道府県の指定を受けた学校法人や民間企業など。

 市内の介護サービス事業所「マイエルフ」(吉田正樹社長)が運営する函館社会福祉介護学院(美原1)では、昨年秋ごろから、月始めに講座を開設する2級資格の平日短期集中コースの受講者が増え、常に定員(30人)を満たしている状態。受講者の年齢層にも異変が起きていて、これまでは福祉の専門課程を学ぶ学生ら若い世代で、女性の受講が多かったが、中高年や男性が半数を占めるコースもあり、派遣切りや雇い止めなどで失業して受講する人も増えたという。

 ハローワークなどで求人を出している介護サービス事業所の多くが、採用条件をヘルパー2級以上取得としている。この状況に吉田社長はビジネスチャンスとしながらも「以前と比較すると受講者の介護スキルの基準は低い」と指摘する。

 資格を取得し就職しても厳しい労働条件で離職している実情もあるという。同社長は「中途半端な気持ちでは続けられない職場。職業人としての心もしっかり教えていきたい」と話す。

 函館臨床福祉専門学校(美原1、河原武則校長)は、ポリテクセンター函館の委託を受けてホームヘルパー2級の養成講座を開設。失業者の職業訓練の一環として開いているもので、2008年度は前年度より2コース多い5コース(1コース定員15人)で実施した。同校生涯学習課は「前年度と比較すると若い男性が増えたようだ。個々の受講した理由は把握していないが、ニーズがあったのは確か」としている。

 市社会福祉協議会(谷口利夫会長)は、函館短大と共催で毎年秋ごろにホームヘルパー2級の講座を開設し、昨年は学生と社会人合わせて50人が受講。例年と比較して目立った変化はなかったが「どこで講座を開設しているかなどの問い合わせがくるようになった」としている。

update 2009/4/19 13:17
提供 - 函館新聞社


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