手話検定 函館から3人 最年少合格

 函館市に住む函館神山小2年の笹谷博美さん(7)、函館大妻高1年の鈴木麻那さん(15)、長谷川渉さん(27)=税理士法人アグス函館事務所勤務=がこのほど、第3回全国手話検定試験の5級、4級、3級にそれぞれ合格した。函館聴覚障がい者協会などによると、3人は函館地区で各級の最年少合格者。ろうあ者や手話通訳士の家族を持つ3人は、「もっとうまく話したい」「コミュニケーションを取りたい」との強い思いから手話を独学で習得してきた。関係者は合格を喜び、「手話への関心が高まれば」と期待を寄せている。

 笹谷さんの父、光一さん(35)は生まれつき耳が聞こえない。物心ついた時から指文字や手話を使って会話した笹谷さんは、時には母の智子さんに通訳してもらいながら少しずつ手話を身につけてきた。

 試験は母の勧めで、小学1年だった昨年10月に挑戦。「緊張したけど頑張った。合格を知って『やったあ!』と思った」と振り返り、「お父さんとうまく会話したいから手話をもっと勉強したい」と話す。光一さんは「(娘の合格は)大変うれしかった。将来は1級まで目指してほしい」と喜ぶ。

 鈴木さんは両親が手話通訳士として市内外で活動する。母とろうあ者の集まりに出ることも多く、「気が付いたら手話を教えてもらっていた」という。手話通訳士を目指しており、4級合格は手話技術を向上させるための励みになった。「ろうあ者の手話はかっこいい。ろうあ者の言いたいことをちゃんと伝えられるとうれしい」と魅力を語る。

 長谷川さんは両親がろうあ者。進路など自分の複雑な気持ちを伝えるためには手話が必要と感じ、大学卒業後の25歳で手話講座に入門。手話サークルにも参加し、今回は「自分のレベルを知りたい」と受験した。「ろうあ者の歴史を知り、両親への見方が変わった。将来は通訳の仕事に携わりたい」と語る。

 手話を積極的に取り入れるろう学校も増える中、同協会の藤原弘實会長(68)は「手話人口を増やすのが狙い」と試験について説明。光一さんも「商店街や理容室で手話ができる人が増えれば便利。ぜひ多くの人に受けて欲しい」と話している。

 手話検定に関する問い合わせは全国手話研修センターTEL075・873・2646。

 ■全国手話検定試験■ 社団福祉法人全国手話研修センター(京都)主催。ろう者とのコミュニケーション能力を評価することを目的に2006年度から始まり、5―2、準1、1級の6つがある。5級は自己紹介、3、4級は身近な話題ができる程度などのレベル。試験は全国各地で実施され、函館では昨年度、初めて函館聴覚障がい者協会を中心とし、4、5級の試験を開催。各27人が合格した。第3回の合格率は全国で91・5%。

update 2009/4/17 13:38
提供 - 函館新聞社


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