高度な腹腔鏡手術可能…市立函館病院・婦人科医2人着任

 市立函館病院(函館市港町1)の産婦人科に4月、高度な腹腔(ふくくう)鏡下手術の技術を持つ医師が着任した。これまでよりも高度で先進的な婦人科医療の提供が可能になる。吉川修身院長は「札幌などに行かざるを得なかった患者さんにとっては、函館で質の高い手術を受けることが可能になる」と話し、産科再開に向け光が見えてきたことを喜んでいる。

 今回着任したのは、産婦人科科長の山下剛医師(47)と同科医長の西岡嘉宏医師(37)。3月末に常勤の医師1人が退職し、この2人が常勤医となった。

 腹腔鏡下の婦人科手術は、開腹術の切開が10―15センチにもなるのに対し、鏡下手術は1センチ程度の切開を3―5カ所に行うだけのため傷が小さい利点がある。出血や術後の痛みも少なく、入院期間は開腹術が10日から2週間程度かかるのに対し、4日から1週間程度で済む。半面、手術時間が長くなったり、器具が使い捨てのため病院にとってコスト高となる欠点もあり、医師にも高い技術が要求される。

 山下医師は、日本産婦人科学会の専門医で、日本婦人科腫瘍学会の腫瘍専門医。道内の腫瘍専門医は札幌と旭川にほぼ集中しており、道南では山下医師のみ。道内に十数名しかいない婦人科内視鏡技術認定医でもある。3月まで旭川医大の産婦人科准教授として指導医を務め、腹腔鏡下での婦人科手術経験は500例を超えるという。吉川院長の強い働きかけで来函を決意した。

 同院婦人科ではこれまでも、一般的な感染症や痛み、腫瘍、更年期症状、不妊診療、セカンドオピニオン(主治医以外の医師の意見)などに対応してきた。しかし山下医師により、子宮筋腫や子宮内膜症などの腹腔鏡下手術、患者にとっては治療方法の選択肢に厚みが増すことになる。

 山下医師は「すべての事例に対して腹腔鏡下でできるわけではないが、標準的治療と先進的医療の両方を患者さんに示し、納得したうえで治療したい」と、患者の気持ちに寄り添った医療提供を目指す。さらに「関東や関西の大病院に劣らないレベルの治療ができるし、若い医師の教育にも力を入れたい」と意気込む。

update 2009/4/15 12:57
提供 - 函館新聞社


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