精神障害者のグループホーム「ゆうあい」を開設
函館市内のNPO法人「障害者・高齢者地域支援ゆうあい」(佐々木豊理事長)がこのほど、同市釜谷町19に精神障害者のグループホーム「ゆうあい」を開設した。個人でNPO法人を立ち上げ、グループホームを運営するのは異例で、佐々木理事長は「当事者が社会に出られるような環境整備が必要。1つでも2つでも受け入れ先を増やすきっかけにし、次世代に引き継ぎたい」と話している。
佐々木理事長は15年前に長男が統合失調症になり、精神障害者家族会の会長を務めた。長年、当事者支援にかかわる中で「親亡き後、誰が当事者の面倒を見るのか」との心配は尽きず、支援を受けながら地域で暮らせるグループホームの必要性を感じていた。
市内には支援があれば地域で生活できる状態の精神障害者が140人程度いるとみられるが、住居や就労先がない当事者を受け入れる施設の不足などで退院できないでいるケースもある。こうした実態も踏まえ、佐々木理事長らは2006年に市障がい者基本計画等策定推進委員会にグループホームの開設を要望していたが、08年4月に家族会のメンバーや賛同する仲間とNPO法人を立ち上げ、自ら設立計画を進めてきた。
グループホームは戸井地区の海に面した木造2階建ての民家を借り、内部を改修した。改修費は600万円で、国から300万円、市から150万円の補助を受けた。定員は5人で全室個室。入居者同士、地域住民との交流や、障害者・高齢者の相談を受けるコミュニティールームを設けた。佐々木理事長は「高齢者と障害者が触れ合いながら過ごせるユートピアを作りたい」と期待を込める。
毎日、佐々木理事長ら職員が朝から夜まで常駐する。花見や浜辺でのジンギスカンパーティーなどの催しも企画。敷地内には倉庫も隣接しており、佐々木理事長は「作業訓練の一環で廃油をリサイクルした燃料作りにも挑戦したい」と話す。365日3食付きで利用費は月額6万円。空きがある4室の入居者を募っている。掃除などのボランティアスタッフ、賛助会員(一口2000円)も募集中。問い合わせは佐々木理事長TEL0138・42・7502。
提供 - 函館新聞社
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