DV被害者の自立 準備期間サポート…「ステップハウス」開設
夫や恋人からの暴力、DV(ドメスティックバイオレンス)に悩む女性を支援するNPO法人「ウィメンズネット函館」(古川満寿子代表)は4月中旬に事務所を移転し、被害者が新しい生活を始めるまでの準備期間に滞在できる「ステップハウス」を開設する。シェルター(一時保護施設)に入れない事情や自活に不安がある被害者に寄り添い、自立を助けるのが目的。さらに新事務所を拠点に被害者が気軽に集える「たまり場」づくり、就労支援にも力を入れる。
ステップハウスは新しい生活への一歩(ステップ)を踏み出すための場所。札幌市、室蘭市にもあるが、道南で民間のステップハウスが設置されるのは初めて。函館市が本年度からDV被害者の自立支援事業に乗り出し、ステップハウスの運営費60万円、就労支援にかかわる経費40万円を補助する。
新事務所は2階部分をステップハウスとして1、2世帯が入居できるようにする。シェルターを出た直後など、自立への不安があり、支援が必要なケースが対象。このほか仕事を持っていたり、夫以外の家族から暴力を受けていたりする場合、シェルターへの入居が困難でステップハウスの役割が重要性を増す。古川代表は「いろんな相談を受け、行動をともにしながらサポートしていく」と話す。
DVから逃れてきた被害者は住み慣れた家や地域を離れ、子どもも転校を余儀なくされる。古川さんは「当面の問題が解決しても心にはさびしさや悔しさが残る。シェルターを出た時から孤独を感じてしまう」と指摘し、シェルターを出て地域で暮らす被害者が集える機会も設ける。被害者の話を受け止めて癒やす「傾聴ボランティア」の協力も得たいという。
就労支援では、DV被害者の8割が生活保護受給者となる現状を受け、パソコン研修、ハローワークへの同行支援、化粧品メーカーによるメークレッスンなどを検討。ボランティアの講師による趣味の講座を開き、作品を展示、販売することも考えている。
新事務所の場所は公表していない。問い合わせ、相談は同法人TEL0138・33・2110。
提供 - 函館新聞社
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