北朝鮮ミサイル発射「誤報」、道南も混乱
北朝鮮が「人口衛星打ち上げ」と主張する弾道ミサイルについて、発射予告期間の初日を迎えた4日、道南地域の各自治体や関係機関は、特別態勢で万一の事態に備えた。正午過ぎには政府が一時「ミサイル発射」を発表しながら、直後に誤報であると訂正するなど、住民の不安は広がった。結局この日は発射されず、5日以降も警戒態勢は継続される。
函館市役所では小柏忠久理事、谷口諭総務部次長をはじめ職員4人が本庁舎6階総務部のフロアに常駐し、国や道からの連絡対応に当たった。
午後零時17分、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が作動し、武田忠夫防災担当参事の机上にあるパソコンの画面に「北朝鮮から飛翔体が発射された模様」と記されたメールが受信され、現場は緊張感に包まれた。しかし同21分に再び受信音が鳴り、「誤探知」の画面を確認した職員らは、拍子抜けしながらも安堵(あんど)した様子だった。
その後は政府からの連絡、情報はなく、午後4時で初日の任務を終えた。武田参事は「北朝鮮が発射すると通告しているので、引き続き緊張感を持って取り組む」と述べた。
函館市消防本部では、管理職4人による情報連絡室を立ち上げ、午前10時から午後5時まで同本部内に常勤し不測の事態に備えた。道の危機対策局から「ミサイル発射」の情報を受けた際には、自宅待機していた各部署の責任者11人が数分で同本部に駆けつけるなど、緊張感に包まれた。
渡島支庁では防災担当職員3人が臨時で常駐。各自治体でも防災担当の職員を出勤させたり、自宅待機させるなどの対応を取り、ミサイル発射予告期間の8日まで緊急体制は継続する。
一方、一般市民の中には、やり場のない憤りが高まっている。函館市北美原の男性会社員(41)は「これ(ミサイル発射)をきっかけに最悪の場合は戦争の状態になることも考えられるので、政府はもっと危機感を持って対応すべき。万一の場合どこに逃げたら良いか分からず、家族がいるのでとても不安だ」と訴える。市内の無職亀谷涼子さん(79)は「(今日)発射されなかったことはひと安心。このまま中止してほしいが、まだ期間があるので油断はできない。昼の誤探知情報にはびっくりした。機械なので誤作動もあるのだろうが、できるだけ正確な情報を提供してほしい」と苦言を呈した。
提供 - 函館新聞社
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