函館大火、慰霊法要で冥福祈る

 1934年(昭和9年)の「函館大火」から75年の21日、函館市大森町の函館大火慰霊堂で函館仏教会主催による殉難者慰霊法要が執り行われた。法要終了後には慰霊堂近くの千歳町の亀田川沿いで、大火を教訓とする烈風の想定下での火災消防訓練を実施。参加した関係者は歴史を心に刻みながら、大惨事を2度と繰り返さないために防火への意識を高めた。

 函館大火は75年前の3月21日午後6時53分に同市住吉町から出火し、瞬間最大風速30メートル以上ともいわれる強風の影響で、火は瞬く間に広がった。鎮火したのは翌22日の午前6時ごろで、死者2166人、行方不明者662人、負傷者9485人を出し、当時の市内約3分の1に当たる416万平方メートルを焼き尽くす未曾有の火災となった。

 法要では犠牲者の遺族や大火の経験者をはじめ、市職員ら約80人が参列した。同仏教会僧侶が唱える読経の中、参列者は祭壇に向かって焼香を行い、犠牲者に心からの冥福を祈った。慰霊堂内では大火で燃えた、当時の市内の様子などを撮影した写真12枚も展示された。

 栄町に住み7歳で大火に見舞われた小泉正一さん(82)は「大火は今でも昨日のことのように覚えている。消火の水が押し戻されるほどの強風で、燃えている屋根がそのままの形で飛んできた。避難する際にはぐれた姉が大森浜で凍死するなど、一生忘れられない悲しい記憶だ」と、話していた。

update 2009/3/22 11:56
提供 - 函館新聞社


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