玉光堂松風店が26日閉店
音楽CD販売の道内大手、玉光堂(札幌)は、函館市松風町2の松風店を26日の営業を最後に閉店する。同店がテナントで入居するビルの所有権をめぐる係争で、今後の店舗運営に支障が生じたため。市民からは店の撤退を惜しむ声が上がり、シャッターを閉ざした空き店舗が目立つ大門地区の一層の空洞化も懸念されそうだ。
同店は1981年11月、松風町交差点の一角にある函館北央ビル1階にオープン。CD約2万枚、DVD約7000枚という市内随一の品ぞろえが最大の売りだったが、近年はインターネット音楽配信などの影響で売り上げが低迷していたという。
そんな同店を支えたのが演歌ファンの会員組織「演歌くらぶ」だ。60―70代を中心に会員限定のイベントや各種特典があり、現在の会員数は約380人に上る。同店の平山紀子店長(35)は「対面販売特有のお客さんとのコミュニケーションが30年近く愛された理由だと思う。今は感謝の気持ちでいっぱい」と閉店を無念がる。
今後、同社は函館市内では楽器も取り扱う五稜郭店(本町17)の1店舗体制となる。松風店では26日まで、一部商品を除くCD、DVDなど全品が半額となる閉店セールを行っている。同店をよく訪れるという市内の女子高校生(17)は「好きなビジュアル系バンドの品ぞろえが良かった。町のレコード店がなくなる気がして寂しい」と漏らした。
大門地区では2004年にも函館の老舗書店、森文化堂が閉店し、現在も空き店舗のままとなっている。また、周辺では老舗の飲食店やゲームセンターなどの閉店も相次ぎ、老朽化した建物が解体されて更地や駐車場になるケースも増えている。
提供 - 函館新聞社
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