笑い療法士・佐藤英代さん、「笑い」で患者を元気に
「笑い」で患者の自己治癒力を高めたり、病気予防をサポートする「笑い療法士」。癒しの環境研究会(東京)が養成・認定している資格で、医療・福祉の現場をはじめ、日常生活の中で人々の笑いを引き出す活動に取り組んでいる。道南では長万部町消防本部の救急救命士佐藤英代さん(47)がこのほど2級の資格を取得。函館中央病院で月3回、病院ボランティアをしながら「笑いの力で患者さんを少しでも元気にしたい」と笑みを絶やさない。
同研究会は「笑いは人が幸せに生きることを支え、また病気の予防にもつながる。そうした笑いを引き出すのが『笑い療法士』」と定義づけ、3―1級の資格区分を設ける。3級は笑い療法士の理念を理解し、熱意のある人。2級は笑い療法士として十分な実績を持つ人。1級は笑い療法士として社会に貢献し、とくに優れた実績があると認められた人と定める。
佐藤さんは2005年12月、札幌に笑い療法士の第1期生が誕生したのを新聞記事で知り、06年2月に第2期生の認定講習に応募。同年7月に3級、昨年12月に2級の認定を受けた。「乳がんを患った義母に『絶対治る』という気持ちを持ってもらいたかったから」ときっかけを話す。
佐藤さんは人を笑わせるのが好きで温厚な人柄。しかし職業柄、救急現場や病院ではたとえ安心感を与える笑顔だとしても受け取られ方によって賛否が分かれる。「笑い療法士なら病院や施設で人を笑わせることができるのでは」。佐藤さんは闘病生活で生きがいをなくした患者、孤独でさびしそうなお年寄りを元気づけたいという思いを行動に移した。「『笑い』とは幸せ・元気・健康の証し。笑うことが体にいいということを伝えたい」と語る。
06年11月から実践の場として病院ボランティアの活動をスタート。初対面の人の笑いを引き出すのは容易ではないが、「笑顔や笑いは相手にうつる。あいさつから始めて受け入れてもらえたら冗談を言ってみる」と佐藤さん。
笑い療法士の役割は、相手から自然な笑いを引き出すこと。無理に笑わせるのではなく、相手の心に寄り添い、穏やかな気持ちになってもらうことが重要。患者から声を掛けられたり声を出して笑ってくれたりしたときが何よりうれしい。佐藤さんは「長い目で焦らず、温かい気持ちで相手を包んであげられたら」と活動の幅を広げている。
癒しの環境研究会事務局(日本医科大学医療管理学教室内)ホームページhttp://www.jshe.gr.jp
提供 - 函館新聞社
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