金谷さん漢検1級に合格
函館市内で小、中学生対象の学習塾を営む金谷暢彦さん(51)がこのほど、日本漢字能力検定(漢検)1級に合格した。5年前から同級に挑戦し、13回目で念願の合格証書を手にした。金谷さんによると、今回函館会場で1級を受験したのは1人のみで、「函館では珍しいのでは」と話している。
漢検は2007年度には約270万人が受験した。試験は10級から1級の12段階で、年に3回実施する。最難関の1級は、本年度の第2回試験では全国で1372人が受験し、合格者は188人、合格率は13・7%だった。出題範囲は6000字に上り、合格には200点満点の内80%以上の得点が必要とされる。
函館出身の金谷さんは、道南の高校などで数学教師として勤務した後、1986年に同市赤川で学習塾を開いた。漢検挑戦は塾での授業中に誤字を生徒に指摘されたことがきっかけだった。試験の2カ月前から仕事が終わった深夜に2時間ほど勉強して挑戦を続けるも、得点は毎回140点前後で伸び悩む。金谷さんは「とにかく暗記する量が多く、仕事と両立させながら勉強を続けることが難しかった」と当時を振り返る。
1級挑戦13回目の今回、勉強方法を書き取り中心に変えたことが功を奏し、見事165点を獲得。2月25日に合格が発表され、今月6日に証書が届いた。「周囲も喜んでくれ、今は達成感でいっぱい。生徒にもいい刺激になっていると思う」(金谷さん)。「漢検を受けてみようかな」と話す生徒もいるという。
金谷さんは「漢字を勉強する過程で、人生教訓などを知ることができた。覚えた知識を活用して、小説などを書いてみたい」と話していた。漢検を主催する財団法人日本漢字能力検定協会(京都)は「1級は過去の合格者がもう1度受験して合格するケースも多い。仕事を続けながら初の合格を果たした結果は評価されるべき」としている。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。