五稜郭病院、がん診療拠点病院に

 函館五稜郭病院(函館市五稜郭町38、高田竹人院長)が今月1日、厚生労働省から地域がん診療連携拠点病院に指定された。指定期間は4月1日から4年間で、渡島・桧山管内では市立函館病院(港町1)に次ぐ2カ所目となる。高田院長(64)は「函病と相互に協力しあうことで道南圏に質の高い医療を提供できる。患者の選択肢が増え、地域医療の向上にもつながる」と話している。

 地域がん診療連携拠点病院は、がんの治療技術の地域格差を是正し、全国どこでも質の高いがん医療を提供できるよう2002年度に制度化。知事の推薦などをもとに同省が指定し、4年ごとの更新義務がある。

 指定には、地域の医療機関との連携体制の構築や専門的な知識のある医師の配置、放射線治療機器の設置、緩和ケアの提供、相談支援センターの開設などの要件が必要。

 五稜郭病院は拠点病院が制度化される前からがん医療の体制強化を図り、地域連携クリティカルパス(診療計画表)を導入するなど指定に必要な診療体制や治療実績を築いていた。

 06年、がん対策基本法が制定され、国や道もがん医療の整備に力を入れ始めた。同病院も昨年6月、院内にがん相談支援室を開設。治療にかかわる認定看護師の育成、保健師や薬剤師など専門の職員を配備し、昨年8月、道に申請。このほど開かれた同省の「がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」の会議で正式に決まった。

 道南圏で拠点病院が2カ所となり、高田院長は「地域住民が安心してがん診療を受けられる体制が整ってきた」と語る。

 今後、拠点病院の使命として他病院、診療所への指導、研修や住民への啓発など地域に向けた取り組みを積極的に打ち出す。院内でも緩和ケアチームや医師、薬剤師などが連携した診療を進め、認定看護師、専門医の育成も推進していく。

 道内のがん拠点病院は今回の指定で10病院から20病院に増加。札幌市にある北海道がんセンターが「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定され、23日には道内の全拠点病院でつくる連絡協議会が発足される。

update 2009/3/14 14:45
提供 - 函館新聞社


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