障害抱えながら創作活動、3人が合同展

 障害を抱えながら函館で創作活動を続ける田村紋子さん(28)、田中美旭さん(35)、木村公一さん(42)の絵や写真の合同作品展「PASSION!」が、同市赤川町365のカフェ「en(エン)」で始まった。芸術・福祉の振興団体「函館芸術会議(HAM)」が設立した「HAM障害者芸術就労支援基金」への協力を呼び掛けようと、代表の木村さんが企画。「田村さん、田中さんの作品展示は初めてだがとても質が高い。芸術作品として見てもらいたい」と話している。26日まで。

 同カフェの開店5周年を記念したイベントの第1弾。木村さんが、昨年12月にHAMが主催した障害者の創作活動を紹介するディナーライブイベントの出演者だった田村さんと田中さんを誘い、作品展を実現させた。今展には1人12点ずつ作品を出展。会場には募金箱を設置し、同基金への協力も募っている。

 田村さんは両手足に力が入らなくなるなどの障害を伴うギランバレー症候群。初期の作品には指で描いたものがあり、初めて描いた真っ赤な背景との対比が美しい金魚の絵もその一つ。ほかにも動物を題材にしたものが多く、優しいタッチで伸び伸びと描いた作品が目を引く。田村さんは「何かやっていないと不安だったので仕事をするような感覚で絵を描いていたが、今は絵が生きがい。見てくれた人に喜んでもらえたら」と笑顔を見せる。

 田中さんは昨年、広汎性発達障害の診断を受けた。ウェブ制作会社に勤務していた3年前から写真を撮り始め、市内・近郊で見た日常風景を切り取った作品が中心。大きなあくびをする飼い猫などゆったりとした時間を感じさせる心和む写真が並ぶ。田中さんは「ゆるい雰囲気の作品が多いので、気張らずに楽しんでもらえれば」と話す。

 木村さんは東京でフリーのカメラマンとして活躍していた27歳の時、関節リウマチを発症。職業としての写真家活動を断念し、故郷の函館で家業の傍ら写真を撮り続けている。作品は十数年前から今年までにイタリアや東京、道南などで撮影した風景、人物が主。「2人の作品の雰囲気にマッチした作品を選んだ」と3人の作品づくりへの“情熱”が競演する空間を創造している。

 午前11時―午後8時(日曜・祝日は同6時)。

update 2009/3/8 10:56
提供 - 函館新聞社


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