交差点進入時の不注意に警鐘

 昨年6月と8月、北斗、函館両市内で発生した死亡交通事故にかかわり、自動車運転過失致死罪に問われた2件の裁判がこのほど、函館地裁で開かれた。いずれも交差点進入時に、横断歩道上の自転車の高齢者をはねて死亡させた事故で、同地裁は、基本的な注意義務を怠ったことが原因であるとして、被告の男にそれぞれ、執行猶予付きの禁固刑を言い渡した。現場の状況からは被害者に落ち度はなく、両被告が横断歩道手前で一時停止するなど細心の注意を払えば、最悪の結果は防げた可能性が高いことがうかがえる。

 北斗の事故は、同市中央3の国道228号T字路交差点で発生。トラックを運転していた大工の男(76)は、対向車を見送った後に右折を開始したが、右から横断歩道を渡っていた自転車の男性(当時84)に接触。函館の現場は、同市大川町の市道八幡通と道道の交差点で、会社役員の男(65)の乗用車が八幡町方向から港町方向に左折した際、左から来た自転車の男性(当時76)を巻き込んだ。

 交差点進入時の速度は時速10―15キロ程度だったが、被害男性2人は転倒し、路面に頭を強く打って死亡。両被告は、対向車に気を取られるなどして自転車に気が付かなかったとしていた。北斗の裁判では、検察官が「運転中の確認事項が10あるとすれば、それを1つ欠いただけで発見できないことがある。車の運転はそれくらい大変なことだ」と指摘する場面もあった。

 函館中央署管内では昨年、この2人を含めて交通事故で9人が死亡。人身事故の発生件数は減少しているが、交差点での事故や、高齢者の被害も依然として多い。同署交通第一課の塩入信一課長は「交差点や横断歩道手前では後方も含め、付近の歩行者や自転車に十分な気を配ることが重要」とし「車の運転時には免許を取得したときの注意力を思い出してほしい」と話す。

 また、昨年の道交法改正で幼児や児童らが自転車に乗る際の努力事項としてヘルメット着用が盛り込まれたが、塩入課長は「万が一の事故から自分の身を守るために、大人もヘルメットを着用することが望ましい。道路の横断時には、歩行者側も周囲の状況をよく確認することが必要」と話している。

update 2009/3/1 11:31
提供 - 函館新聞社


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