「一丸で困難乗り切る」西尾市長が執行方針…市議会定例会開会

 函館市議会の第1回定例会が27日に開会し、西尾正範市長が市政執行方針を、多賀谷智教育長が教育行政執行方針を述べた。西尾市長は、経済・雇用情勢の悪化、少子高齢化、人口減少、中心市街地空洞化、病院事業の経営健全化など多数の課題に直面する市の現状に触れ、「課題を一つ一つ解決に向かわせながら、市役所や企業、団体、市民が力を合わせて困難な時代を乗り越えていかなければならない」と訴えた。

 現下の情勢を「非常時」と位置付け、独自の措置で事態を好転させるため、公共事業の前倒し発注や景気浮揚策に努力したことを強調。さらに多重債務者支援のための支援室設置や、下水道使用料引き下げ、中小企業への融資制度見直しなどを行う。

 その上で(1)市民の安心・幸せづくり(2)地域の活力・元気づくり(3)次代を担う人づくり―の3つの観点から施策や事業に取り組み、「市民の自治を広げ、知恵を集め、函館が魅力と活力あふれる共同体として輝けるよう力をあわせていきたい」と、住民と一体となった行政運営を方針に掲げた。

 主要施策は「心豊かな人と文化をはぐくむまち」や「共に支え合い健やかに暮らせるまち」など5項目に基づき取り組む。旧図書館本館や公民館の活用策、市民体育館のあり方について市民の意見を取り入れながら検討。弥生小学校校舎や椴法華中学校の給食共同調理場の整備を進め、学校の耐震診断と改修に本格的に着手する。

 福祉のまちづくり推進のためには、母子健康手帳と一体で子どもの成長情報を管理できる「すくすく手帳」を発行し、妊産婦健診の助成回数を14回に増やす。市立病院は病院事業改革プランに基づいた経営健全化、国民健康保険事業は収納率の向上に努める。

 開港150周年記念事業では式典やイベントを展開。「函館の魅力と価値を世界に向けて発信し、将来に向け飛躍する契機となるよう全力を尽くす」と決意を述べた。

 多賀谷教育長は「地域の特性を生かした活力あふれる豊かなまちづくりを進める上で、人づくりを担う教育の果たす役割はますます重要」と位置付け、「家庭や学校、地域社会との連携を深めた総合的な教育行政の推進に努めたい」と述べた。

 学校教育では、小中学校の再編計画策定に着手するほか、学校長の裁量で活用できる「知恵の予算」を継続。新学習指導要領の適切な移行や、小学校での外国語活動導入の円滑な導入に向けて各学校を支援する。

 生涯教育では、開港150周年を記念した特別展の開催や、縄文文化交流センターの整備、箱館奉行所の庁舎復元工事を推進。スポーツ合宿誘致の助成制度を創設する。

update 2009/2/28 18:14
提供 - 函館新聞社


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