新米校長時代の苦労話満載…坪川さん「奮闘記」自費出版

 函館市富岡町の元小学校校長、坪川英司さん(66)がこのほど、自身が初めて校長となった時の苦労などを紹介する「新米校長奮闘記」を自費出版した。校長時代に書き留めていたことを昨年、約半年かけてまとめた。「校長として教師、児童、地域がそれぞれ良いかかわりを持つ大切さを知ってもらい、新しく校長になった人たちや学校関係者のほか、子育て、人を育てる立場の人の役に立ってくれれば」と話している。

 坪川さんは1942(昭和17)年、函館で生まれ、67年から渡島管内の小中学校の教壇に立った。97年に校長となり、松前町の小学校に赴任。奮闘記では、同小での2年間の体験を、自身のほか登場人物の名前を変えたフィクションでつづっている。

 坪川さんは当時、前校長との違いを出しながら学校や教師の力を高めようと、あらゆることを実践した。子どもたちとの信頼関係を築き、農業を体験させるなどして地域にとけ込んだ。児童の思いを感じられる感性を持った教師を育成し、教師のやる気を育てるため、地域の人に学校を見てもらうようにした。

 しかし、取り組みの最初のころは、地域との交流を深めようとする姿勢などに教師から反発を受け、狭心症となり約半年間入院した。その時「今、自分がした苦労や、これから立ち向かうことは、時代が変わっても起こりうる話。自分の体験を誰かに生かしてもらおう」と、入院生活中や復帰した後、児童や教師、親と向き合ってしてきたことをしたためた。

 坪川さんは「赴任当時の学校は荒れていたが、2年間掛けて直すことができた」と振り返る。完成した本を手に「児童は先生に見られているから頑張ろうという気になる。教師はそのためにも顔を合わせ、目を見つめ合い、ありのままを見せ合うことが大切。そんな先生を地域から応援してもらう学校経営のヒントになれば」と話す。

 このほか、98年から3年間にわたり友好を深めた、中国・天津市交流団とのかかわりを詳しくまとめている。

 A5変形判、297ページ、定価1500円。300部を発行し、現在は市内川原町の三省書店で発売中。取り扱ってくれる書店を探しているという。問い合わせは坪川さんTEL0138・41・9550。

update 2009/2/22 11:38
提供 - 函館新聞社


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