支庁再編“背水の陣”…あす直接会談

 【札幌】道の支庁再編をめぐる高橋はるみ知事と道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)など、地方4団体トップとの直接会談が16日に札幌市内で行われる。支庁再編をめぐる道町村会と高橋知事の直接対話は昨年6月以来。道町村会は財政再建に伴う一定規模の体制縮小はやむを得ないとしながらも「14支庁体制の維持」を求めて、支庁再編条例の修正を改めて促す方針だ。激しい議論の応酬も予想される席上での高橋知事の出方が注目される。

 会談には道町村会、道町村議会議長会、道市長会、道市議会議長会のトップが出席する。4団体は1月下旬、無条件での直接会談を早急に実現することで、手詰まり状態にある支庁再編問題の早期打開を高橋知事に提案。条例施行を前提に道町村会との接触を続けていた知事サイドも会談に応じる方針を示した。

 道の再編条例では、渡島など9支庁を「総合振興局」に名称を改め、組織や権限を拡充。檜山など5支庁は総合振興局の窓口機関とし、地方自治法が定める「支庁出張所(振興局)」に格下げする。道町村会の寺島会長は「百年に一度と言われる不況に見舞われた町村への打撃は大きい」として、再編反対を一貫して主張する。

 1月に開かれた14支庁管内の町村会長で構成する常任理事会でも、道議会が可決した再編条例は尊重するものの、職員削減を余儀なくされる振興局地域への深刻な打撃を回避するため、振興局の法的位置付けを「支庁」のままとし、公共工事発注などの支庁長の職務権限、産業振興に関わる部門の存続を視野に、再編条例の修正を道に求める方針で一致。町村会との“和解”を高橋知事に促す自民党幹部の支持も取り付けた寺島会長は、16日の会談でも知事の政治決断を迫る構えだ。

 一方、知事サイドは、昨年末まで水面下で進めてきた、道町村会との折衝では条例修正を拒絶。公選法改正のめどが立たない影響で、4月に再編条例が施行できなくても、振興局地域への財政支援を定めた「地域振興条例(仮称)」を先行的に施行させることで、地元の反発を収める一方、通常の機構改革の名目で実質的に振興局への体制移行に着手する構えを示すなど、道町村会への“対決姿勢”に変化は見られない。

 トップ会談で、高橋知事は町村会との隔たりを埋める努力を見せるのか。ある関係者は「事前の根回しは全く無い状態だ。お互いに落としどころも持たずに『出たとこ勝負』にならざるを得ない。決裂すればもう後が無い」と語り“背水の陣”の状態で臨むトップ会談に強い危機感を抱いている。

update 2009/2/15 10:49
提供 - 函館新聞社


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