「丸井さんなくさいないで」…売り上げ好調 市民買い支え署名も集まる

 道内最大手の老舗百貨店、丸井今井(札幌)が民事再生法の適用を申請後、存廃で揺れる函館店(函館市本町32)の売り上げが好調だ。毎年人気を博す催事も重なり、前年同期比で1割程度の伸びをみせた。未曾有の消費不況で大型店の閉鎖や低迷が続く中、函館市民の「丸井さんをなくしたくない」との強い思いが、買い支えや署名運動の盛り上がりにつながっている。

 「朝から1時間以上は並んだ。それでも食べたいものは食べたいから」。全国各地の食の名産品を集めた「第103回全国うまいもの大会」が始まった1月28日昼。函館店7階大催事場は人気の惣菜やデザートを求める買い物客で終日ごった返し、両手に買い物袋を下げた市内の主婦はそう話した。

 翌29日午後、丸井今井は札幌地裁から再生手続き開始の決定を受けた。同社によると、この日から2月5日までの函館店の売上高は前年同期比65%(1億3000万円)増の3億3000万円。催事だけで1億円余りを売り上げ、それに伴う増収分を差し引いた売上高も2億2―3000万円と同10%前後増えた。

 前年と催事の時期、期間が異なるため単純比較はできないが、同社秘書広報室は「報道で心配になったというお客様に多く購入いただいた」と打ち明ける。全国的に衣料品販売が苦戦する中、同期間は紳士・子ども服、呉服なども前年比プラスに推移し、催事目当ての客がほかのフロアを回る“シャワー効果”も表れたという。

 地元商店街の動きも活発化してきた。本町・五稜郭地区の商店主らでつくる協同組合五稜郭(久保一夫理事長、約30店加盟)と五稜郭商店街振興組合(小島正彦理事長、約120店加盟)は6日までにそれぞれ2回、街頭で署名運動を行い、計4700人分の存続への“思い”を集めた。

 今年に入り、函館店に対面するグルメシティ五稜郭店(本町24)の撤退も表面化し、市街地の空洞化が懸念される本町地区。久保理事長は「署名をやってみて、(丸井今井函館店が)どれほど市民にとって『特別な存在』だったかを思い知らされた。今できることはその思いを購買に結び付けるしかない」と力を込める。

update 2009/2/7 11:27
提供 - 函館新聞社


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