企業立地促進条例を制定…函館市
函館市は、工業振興促進条例を昨年末で廃止し、新たに企業立地の促進に関する条例を制定した。従来の助成の期間や要件などを見直すことで、事業者が利用しやすい条例となった。市は相乗効果として、雇用の確保や市内の工業団地への企業誘致を図るとともに、地域経済の活性化を見込む。
1984年3月に施行された旧条例では延べ112社の申請を認定し、約22億円の助成金を交付済み。助成期間は立地企業の設備投資額が確定した後に、固定資産税の手続き、課税額の算出、納税の確認を経て助成金を3年で交付してきたため、企業側から早めに助成を受けて設備投資額を回収したいとの要望が多かった。
また、市内に3カ所ある工業団地では、分譲が思うように進んでいない課題を抱えていた。88年11月に鈴蘭丘、東山町に完成した函館臨空工業団地は分譲面積27・3ヘクタールに対して分譲済みは11社、21・3ヘクタール、97年11月に桔梗町に開設した函館テクノパークは分譲面積2・5ヘクタールに対して分譲済みは7社、1・2ヘクタールにとどまっている。函館港港町ふ頭港湾関連用地(分譲面積7ヘクタール)に関しては2005年12月の分譲開始以来、企業進出の申し出がない状況が続いている。
新条例では、助成金の交付が操業を開始してから直近の決算書を市が確認した時点となるため、1年以内に短縮。助成学決定の基準はこれまでの固定資産評価額(土地を含まない)から投資額(同)に変更し、3つの工業団地の場合は土地を含むという優遇措置が取られている。助成率は投資額と正規雇用の人数によって異なり、投資額の2・5%から最大で25%、限度額は2億円。
市内全域で初めて事業所を開設し、5人以上を正規雇用するソフトウエアやコールセンターなどのIT事業者に対する要件が追加され、雇用増一人当たりの助成額は100人以下が30万円、101―200人が20万円で限度額は5000万円。オフィスの賃借料についても賃借料の50%、限度額500万円という項目を盛り込んだ。
市工業振興課は「地場企業の生産性向上と企業誘致を推進するため、事業者に助成金交付開始のスピードアップと制度の分かりやすさを考慮した。地元での就職を望む学生などの就業機会拡大にもつながれば」と話している。
提供 - 函館新聞社
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