生活保護や再就職で路上生活者が相談

 函館市総合福祉センター(函館市若松町)で28日、路上生活者を対象とした無料相談会が開かれた。ボランティア支援グループのメンバーがさまざまな事情で住居や職を失った人の生活、健康相談に乗り、温かい食事も振る舞われた。

 函館・近郊の病院や労働団体などでつくる市民団体、函館地方社会保障推進協議会(堀口信代表)が世界的な景気後退を受け、5年ぶりに企画。この日は医師や市議などのメンバー約15人が参加した。支援グループは24、27の両日、函館・近郊の駅、バス待合所などで路上生活者の実態調査を行い、少なくとも10—15人程度が夜間にJR函館駅などに寝泊りしていることを確認している。

 この日は20—60代の男女9人の路上生活者が訪れ、メンバーが一人一人の生活保護の申請や再就職に向けた相談に応じた。会場には支援活動を知った市民から寄付された食材で作ったおにぎりや豚汁などが用意され、路上生活者らは冷えた体を温めていた。

 6、7年間路上生活を続けている男性(64)は「日雇いの仕事で何とか食いつないでいる。60歳を過ぎると寒さがこたえる」と語り、行政には「弱者にもっと目を向けてほしい」と訴えた。札幌の食品製造会社を解雇され、地元・函館に戻ってきた男性(35)は「両親は他界し、身よりもない。不況のあおりで働きたいけど住居がないとどこも厳しい」とため息をつき、「この生活に慣れてきたことが一番怖い」と漏らした。

update 2009/1/29 14:47
提供 - 函館新聞社


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