道南でもネットいじめ深刻

 さいたま市の市立中学3年の女子生徒(当時14)が昨年10月、同級生からの「ネットいじめ」を苦に自殺したとみられる事態が明らかになるなど、携帯電話やインターネットに関する子どものトラブルが全国的に深刻さを増している。道南の学校でも、生徒が同じ学校の生徒のホームページに匿名で「ウザイ」「死」などの言葉を書き込んで問題になるなど、トラブルは後を絶たない。学校は啓発や指導に躍起だが、限界があり、関係者は保護者らに注意を呼び掛けている。

 道南のある中学校では、女子生徒数人が同じ学校の女子生徒に対し、ささいなことで腹を立て、その生徒が開設するホームページに相手を傷つける言葉を書き込んだり、出会い系サイトにつながるアドレスを張り付けたりした。

 書き込まれた生徒から相談を受けた担任教諭が、関係する生徒から事情を聞き、慎重に事実確認を行った後、書き込んだ生徒宅への家庭訪問を実施。保護者の協力を仰いだほか、全校集会で注意を呼び掛けるなどの対応を取った。

 この学校の校長は「これだけ子どもが無防備に携帯電話を使える状況では、こうした問題は避けられない」とし、「生徒には生活リズムを整え、けじめのある暮らしをさせてほしい。思わぬ道に迷い込まないように、家庭で使用ルールを定めるなど大人が目を向けなければならない」と訴える。

 渡島小中学校長会(会長・酒井充北斗上磯中校長)の調査によると、渡島管内の中学3年生からは携帯電話を利用した際のトラブル内容として、「ネット上で中傷された」「愚痴を書き込まれた」「サイトに勝手に本名やアドレスを載せられた」などが多く挙げられた。さらに「中学生に携帯は必要ない」「未成年は有害サイト禁止にすべき」などの意見があった半面、「フィルタリング(閲覧制限)はいらない」「制限があると困る」などの声も寄せられた。

 渡島教育局の藤井壽夫主幹は「道南の子どもも全国を上回る比率で携帯電話を持っており、都市や地方に関係なく問題が起きている」と指摘。「今の子どもにとって、携帯電話は自分の分身のような特別な存在」と分析し、「大事なのは文字だけのコミュニケーションの限界を知り、その裏にあるイメージや状況を考えること。保護者はフィルタリングを積極的に使用するなどし、子どもと一緒に携帯の危険性や事件に精通し、対応してほしい」と話している。

update 2009/1/28 15:04
提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです