函館市北方民族資料館「アイヌ民族展」始まる

 函館市北方民族資料館(末広町21)の収蔵資料展「アイヌ民族―祈りの世界」(市文化・スポーツ振興財団主催)が23日、同館で始まった。イオマンテ(クマ送り儀礼)に焦点を当て、アイヌ民族の精神文化をひも解く祈り、儀式に関する資料60点が展示されている。3月17日まで。

 資料は「女性の装飾品」「男性の装飾品」「祈りの道具」「クマ送りの道具」の4テーマに分かれる。天目台と椀(わん)のセット、祭壇に飾る木幣(イナウ)、刀の鍔(つば)など、クマ送りで使われた道具をまとめて公開するのは初めて。

 クマの姿が彫られた捧酒箆(ほうしゅべら)、儀礼の際に女性が身に着けていた鉢巻きや耳飾り、男性が頭に着用するクマの彫り物が付いたサパウンペ、祭壇に飾る矢筒なども並ぶ。クマ送りの様子を示した昭和初期から40年代の写真、江戸時代のアイヌ絵も掲示。自然と共生し、身の回りのものすべてに魂が宿ると考え、神として敬っていたアイヌが、最高位の山の神(キムンカムイ)であるヒグマを神の国に帰す儀礼を特に盛大に行っていたことも分かる。

 同館は「写真や絵から道具が実際どう使われたかが分かる。資料からアイヌと自然とのかかわり、精神文化の一部を知ってもらいたい」と来館を呼び掛けている。午前9時―午後5時。観覧料は一般300円、学生150円。2月18日のみ休館。問い合わせは同館TEL0138・22・4128。

update 2009/1/24 12:21
提供 - 函館新聞社


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