ホテルオークランドが3月末で閉館
北海道乳業(函館市昭和3、田島久吉社長)が子会社に運営委託しているシティーホテル「ホテルオークランド」(同市昭和4)が3月末で閉館することが20日、明らかになった。建物の老朽化に加え、主力の婚礼や宴会が減少しているためだ。外壁や配管などに傷みが目立ち始め、昨年から大規模な改築を検討していたが、同社は「設備投資に見合った集客が困難な状況」と判断した。
市内では6年後の北海道新幹線の新函館駅開業を見据えたホテルの建設が相次ぎ、ホテル・旅館の客室数が1万室を超えるなど集客競争が過熱。観光客の入り込みが減少する中、価格競争も激しさを増し、淘汰(とうた)の波も押し寄せ始めている。
同ホテルは1973年10月に開業。客室数は58室。館内には400人を収容できる宴会場があるほか、市内最大のボウリング場(40レーン)も併設している。89年にはロビーや客室、宴会場などの内装を中心に5億円以上掛けて大幅な改修工事にも着手した。
しかし、近年は少子高齢化や景気後退の影響で結婚式関連の需要が減少し、売り上げ全体の6割を占める宴会部門の不振が響いた。施設の建て直しには十数億円掛かる見通しで、「費用対効果」が得られないためリニューアルは断念した。
同社は1月上旬、社員20人とパート従業員55人に対し、4月末までにそれぞれ解雇する方針を通告。今後、施設は北海道乳業の工場用地として活用する予定で「売却や貸与は考えていない」(同社)という。併設のボウリング場は営業を継続する。
帝国データバンク函館支店によると、同ホテルの売り上げは2008年1月期で約3億円(運営委託料やボウリング場の収益を含む)。近年は減収傾向にあったという。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。